姫路市立図書館

姫路市立図書館：歴史と地域に根ざした学びの拠点

姫路市立図書館は、兵庫県姫路市に広がる、地域住民のための学びの場です。姫路公園内にある日本城郭研究センターに併設された城内図書館を本館とし、市内各地に14の分館を展開。さらに、移動図書館「しろかげ号」が地域を巡回し、読書機会の提供に貢献しています。

歴史ある図書館の歩み

姫路市立図書館の歴史は古く、明治28年頃、国学者・春山弟彦が自宅で運営していた「春山文庫」にその起源を見ることができます。その後、幾多の変遷を経て、昭和22年に現在の市立図書館として発足。当初は姫路城内の英語学校校舎を拠点としていましたが、利用者の増加に伴い、旧陸軍兵舎、手柄山図書館と移転を繰り返しながら規模を拡大してきました。

昭和56年から分館の設置が本格化し、現在では14の分館が市内各地に点在。それぞれが地域の特性に合わせた機能を備え、図書館としての役割を担うだけでなく、文化活動の拠点としても活躍しています。特に網干分館や飾磨分館は、映画館やホールを併設し、地域住民の多様な文化活動に対応しています。

平成2年には、現在の本館である城内図書館が開館。日本城郭研究センターとの連携により、城郭に関する貴重な資料も豊富に収集・提供しています。

多様なサービスと地域連携

姫路市立図書館は、単なる蔵書提供施設にとどまらず、多様なサービスを提供しています。インターネットによる蔵書検索や予約システム、移動図書館による巡回サービスのほか、近年では姫路市映像アーカイブの提供を開始し、地域の歴史・文化の継承にも貢献しています。

また、播但図書館連絡協議会では、昭和45年の設立以来、中核メンバーとして地域連携を推進。昭和62年には参加館間の協力貸し出し体制を構築し、地域全体の図書館サービス向上に力を入れています。播磨圏域連携中枢都市圏の広域貸し出しにも参加し、地域を超えた情報共有にも貢献しています。

各分館の特徴

14の分館は、それぞれに個性があり、規模や形態も多様です。中には、図書館とホールを併設した複合施設や、公民館などに併設されたものなどがあります。蔵書数も館によって異なり、香寺分館は12万冊を超える蔵書を誇り、城内図書館に次ぐ規模を誇ります。一方、家島分館は島嶼部という立地条件を考慮し、規模を絞って運営されています。

各分館は、国際標準識別子（ISIL）コードが付与されており、国際的な情報ネットワークにも接続。開館日も本館と統一され、利用者にとって利便性の高い運営がされています。

主な分館：

網干分館: 多目的ホールと300席のホールを併設した複合施設
花北分館: ミラキタシティ花北内に位置し、広々とした空間で読書を楽しめる
飾磨分館: 300席のホールを併設し、文化活動の拠点として機能
東光分館: 東公民館との複合施設
白浜分館: 姫路市役所白浜支所との複合施設
安室分館: 図書館単体の施設。安室児童センターと隣接
青山分館: 青山公民館との複合施設
広畑分館: 広畑トレーニングルームとの複合施設。ホールを併設
手柄分館: 手柄公民館との複合施設
東分館: 東保健福祉サービスセンターとの複合施設
安富分館: ネスパルやすとみ内にある複合施設
香寺分館: 図書館単体の施設。旧香寺町立図書館を引き継ぐ
夢前分館: 夢前公民館と隣接
家島分館: 家島事務所・家島公民館との複合施設

利用案内

姫路市立図書館は、姫路市内在住・通勤・通学の方、または播磨圏域連携中枢都市圏の居住者を対象に利用券を発行しています。一度に6冊まで借りることができ、返却期限は2週間。電話やインターネットでも予約が可能です。また、県立図書館の蔵書もインターネットで予約できます。

広域貸出サービスにも対応しており、播磨圏域連携中枢都市圏内の図書館と相互利用が可能です。

姫路市立図書館は、地域住民の学習・文化活動の支援に貢献し続ける、歴史と地域に深く根ざした図書館です。

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