網干

網干区と余部区：姫路市の南西部を彩る二つの地域

網干区

兵庫県姫路市南西部に位置する網干区は、大きく分けて南部（旧網干町、山陽[[網干駅]]周辺）と北部（旧旭陽村、JR網干駅南側）の二つのエリアから構成されています。南部は、古くからの町並みが残り、狭い路地が複雑に交錯するエリアです。一方、北部は、JR網干駅へのアクセスが良いことから住宅地としての需要が高く、広大な市街化調整区域を持つ農村地帯でもあります。

網干区は揖保川下流東岸と大津茂川下流西岸に挟まれた平坦な地形で、東部は姫路市大津区、北東部は勝原区と揖保郡太子町、西部は余部区、南西部はたつの市御津町と接しています。南側は播磨灘に面していますが、海岸線の大部分は工場地帯となっています。遠浅の海岸線では、イカナゴ漁などの沿岸漁業が盛んに行われています。

網干区の中南部を東西に国道250号が走り、北部へは兵庫県道27号太子御津線が伸びており、たつの市中心部とを結んでいます。臨海部には、ダイセル、西芝電機、日本触媒などの大規模工場が立地し、播磨臨海工業地帯の一角を担っています。網干港は姫路港の一部として、工業港湾としての役割を果たしています。

JR網干駅は、神戸・大阪方面へのアクセスが良いことから、近畿一円でも知られる存在となっています。しかし、旧市街からは約3km離れており、網干総合車両所も太子町に所在しているため、狭義の網干からはやや離れた場所にあります。

網干区は、遠浅の海を利用した沿岸漁業や海苔の養殖が古くから盛んで、721年の記述によれば、地名はその漁業に由来すると言われています。1919年にはダイセルの工場が進出し、工業都市としての発展が始まりました。1889年の町村制施行により網干町と旭陽村が成立し、1946年には姫路市と合併、現在の網干区となりました。

網干区には、網干警察署、姫路網干郵便局をはじめとする多くの公共施設、網干小学校、大津茂小学校、旭陽小学校、網干西小学校、網干中学校、朝日中学校、兵庫県立網干高等学校といった教育機関、魚吹八幡神社などの社寺、そして多くの歴史的建造物が存在します。ダイセル異人館は経済産業省近代化産業遺産に指定されており、旧網干銀行本店は姫路市の都市景観重要建築物に指定されています。

網干区へのアクセスは、JR山陽本線網干駅、山陽電気鉄道網干線山陽[[網干駅]]、神姫バスを利用できます。

余部区

姫路市南西部、揖保川下流の北東岸に位置する余部区は、田園地帯が広がる地域です。東部と南部は網干区、北部は揖保郡太子町、西部はたつの市と接しています。戦前には揖保郡余部村でしたが、1946年に姫路市と合併し、現在の余部区となりました。

余部区には、経済的・人的交流において網干区と一体として扱われる側面があり、「網干店」を名乗る店舗も多く存在します。また、余部小学校の生徒は網干区の朝日中学校へ進学します。

余部区には、姫路余部郵便局、姫路市立余部小学校といった公共施設があります。鉄道は通っていませんが、神姫バスが山陽[[網干駅]]とJR網干駅とを結ぶ路線の一部が余部区内を通っています。主要な道路は、区を南北に貫く市道「余部新道」です。

まとめ

網干区と余部区は、それぞれ異なる歴史と特徴を持ちながらも、地理的にも経済的にも密接に結びついた地域です。臨海工業地帯としての発展と、古くからの町並みの調和、そして豊かな自然環境が、この地域の魅力となっています。

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