子宮外妊娠

子宮外妊娠（しきゅうがいにんしん）について

子宮外妊娠は、妊娠が正常な子宮内ではなく、他の部位に受精卵が着床する異常な妊娠を指します。このような妊娠は全体の妊娠のうち約1%で見られ、再発するケースも20%に達します。この病状は、特に妊娠可能な年齢の女性における急性腹痛の原因として常に念頭に置かれるべき疾患の一つとされています。

歴史的背景

歴史的には、イスラムの外科医アブー・アル＝カースィム・アッ＝ザフラウィーが、異所性妊娠に関する最初の記録を残したとされています。その後、この病状は進化し、理解が深まってきました。

着床部位による分類

子宮外妊娠は、着床位置によっていくつかのタイプに分類されます：

1. 卵管妊娠 - 子宮外妊娠の約99%は、卵管に受精卵が着床するケースです。この種の妊娠は、最も一般的でありながらも重大な合併症を引き起こす可能性があります。
2. 卵巣妊娠 - 卵巣に受精卵が着床する事例で、稀ですが生じることがあります。
3. 腹膜妊娠 - 腹腔内での妊娠で、このタイプは診断が非常に難しいとされています。極めてまれですが、腹腔内で胎児が育ち、出産に至ることもあるとの報告があります。
4. 頸管妊娠 - 子宮頸管に着床するもので、ここでは太い血管が多く出血が起こりやすいです。このため、最も危険なタイプとされています。

症状

子宮外妊娠の症状は、妊娠が中断する前後で異なるため、注意が必要です。中絶の前は無症状のことが多いため、見逃されることがありますが、異常が起きた後には以下のような症状が現れます：

• - 無月経
• - 下腹部痛
• - 少量の外出血
• - ショック状態

これらの症状が出た際には、直ちに医療機関を受診することが重要です。症状の進行により、医師が必要な診断を行います。

診断手順

診断は主に以下の流れで行われます：
1. 尿中hCG検査 - 妊娠の有無を確認します。
2. 超音波検査 - 子宮外に受精卵が着床しているかを確認します。
3. 腹腔鏡検査 - 確定診断のための観察が行われます。

中絶が発生した場合は、強い下腹部痛やダグラス窩の圧痛がみられるため、診断は一層難しくなります。これらの症状を確認するためには、腹腔内の状態を調査するための検査や血液を吸引する方法が用いられます。

治療方法

子宮外妊娠の治療は、状態に応じて異なります。中絶が起きる前では、以下の治療が考慮されます：

• - 腹腔鏡下手術 - この方法では、なるべく卵管を温存しながら進行できます。
• - メソトレキセート投与 - 全身または局所的な投与が行われる場合があります。

中絶後の治療では、ショック状態に対応するために輸液や輸血が必要となる場合や、必要に応じて緊急開腹手術を行い卵管を切除することがあります。

まとめ

子宮外妊娠は、適切な診断と治療が遅れると重篤な合併症につながる可能性がありますので、早期に医療機関での受診が求められます。妊娠の可能性がある場合には、疑わしい症状を感じた際に適切に対処することが大切です。

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