子連れ殺人拳

映画『子連れ殺人拳』の詳細

『子連れ殺人拳』（こづれさつじんけん）は1976年に公開された日本のアクション映画で、主に千葉真一の持ち味を生かした格闘シーンが印象的です。また、本作は『殺人拳シリーズ』の最終作品として位置づけられています。監督は山口和彦が担当し、製作は東映。カラーでシネマスコープ方式が採られており、全体の長さは89分です。

概要

本作は『殺人拳』というタイトルがついているものの、前の作品とは異なり、登場人物や物語の内容が一新されています。千葉真一演じる主人公は空手だけでなく、剣術も駆使した新たな闘いを見せます。物語の中では、10億円に相当する麻薬を巡るヤクザ同士の抗争に巻き込まれた主人公が描かれています。彼はその中で行方不明の麻薬を探し、対立勢力との戦いに挑みます。

物語では、千葉のキャラクターが子供とともに生活する剣術使いと出会い、互いに達人として認め合い、友情を育む様子も描かれています。特に、主人公と子供の心温まる交流が物語の中で重要な要素です。また、荒廃した町で、対照的な生き方をしている姉妹の登場もあり、彼女たちのストーリーが一層深みを与えています。

ストーリー

流浪の空手家・坂田周平は、立ち寄った港町で修という子供とその父親である水木錬作という剣術の使い手に出会います。周平は二人と会話を交わす中で、彼らの人間性に触れ、食べ物を分け合う温かいシーンが描かれます。しかし、そんな和やかな雰囲気も束の間、東田組という悪党たちが二人を襲いかかる。水木は彼らに立ち向かい、容赦なく撃退しますが、息子の修は人質に取られてしまうのです。これを見た周平は助けに入り、強力な技で残りの組員を排除し、無事に修を救います。水木は修に「人を頼るな」と告げ、二人はその場を後にします。

その後、周平はこの町の状況を察し、暴力団同士の争いが地元住民に悪影響を及ぼしていることを知ります。10億円の麻薬を巡る抗争に興味を持った周平は、一大決心をしてこの争いに飛び込むことになりますが、そこには宿命のライバル水木が待ち構えていることを知りません。

キャストとスタッフ

千葉真一は坂田周平役として主演し、その格闘技術を存分に発揮します。また、カメオ出演として他の演者がいるものの、キャストの数は味わったアクションを楽しむ際のご褒美です。本作は、千葉の私物であるハイスピードカメラを使用し、実際の殴打技や踵落とし、さらに3メートルの高さからの宙返りをノーマルスピードとハイスピードで切り替えながら撮影した点が特徴的です。

興行と評価

国内では「勝負（けり）を急（せ）くのか、疾風の唸り！」というキャッチコピーが印象的です。1991年にはロサンゼルスで千葉真一主演の14本の作品がリバイバル上映された際、本作も選ばれました。観客からは視覚的インパクトとスピード感が高く評価されており、アクション映画としての地位を確立しています。

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