孔明 (水滸伝)

孔明の人物像と物語における活躍

孔明（こう めい）は、中国の古典小説『水滸伝』に登場する重要なキャラクターであり、梁山泊の第六十二位の好漢として知られています。彼は地猖星または地好星の生まれ変わりとされ、渾名は毛頭星（もうとうせい）です。この名前は凶星「昴宿」に由来しており、彼の性格や運命を象徴しています。さらに、孔明には弟の孔亮がいます。

名前の由来と批評

中国文学者の高島俊男は『水滸伝人物事典』の中で、孔明と孔亮の名前が明らかに諸葛孔明（名は亮）をもじったものであると指摘しています。彼はこの二人について「智謀の片鱗も見せないただの田舎者」と述べており、筆者の意図や物語における位置付けについて疑問を投げかけています。

孔明の背景と初期の生活

孔明はもともと青州の白虎山の麓に住む金持ちの息子で、喧嘩好きな性格でした。彼と弟の孔亮は手下を従えて地元で暴れ回る日々を送っていました。彼らは逃亡中の宋江を匿い、宋江から棒術を習って成長していきます。しかし、孔亮が大怪我をして帰宅したとき、孔明の激怒が物語の転機を迎えます。彼は兄弟で共にその怪我を負わせた大男を探し、見つけた際に捕らえるものの、相手が武松であることを知り慌てて謝罪する場面があります。このエピソードからも彼の性格や行動が伺えます。

家族との対立

孔明の人生は平穏ではありませんでした。父が亡くなった後、強欲な土地の金持ちと諍いを起こし、弟と共にその金持ちの一家を皆殺しにしてしまいます。その結果、家族と手下を連れて白虎山に立てこもり、山賊としての生業が始まります。混乱の中で、彼は叔父が捕らえられたことを知り、救出のために青州城を襲うことになります。しかし、思わぬ敵に遭遇し、彼は戦いの中で捕らわれてしまいます。このように、物語を通じて彼は様々な経験をしながら成長していくのです。

梁山泊での活躍と戦闘

捕らわれた後、逃げ帰った孔亮の協力により、孔明は再び自由を手にします。そして、彼と弟は梁山泊に加わることになります。梁山泊での生活は彼の人生において新たな転機を迎え、多くの戦いに参加します。彼は中軍を護衛する歩兵軍驍将に任命され、北京攻めや曾頭市攻め、さらに東平府攻めなどの重要な戦闘に加わることになります。

最後の日々

朝廷からの招安後も、孔明は孔亮と共に戦い続け、遼国との戦いや田虎、王慶討伐にも参加します。しかし、方臘討伐中に杭州で疫病に冒されてしまい、結局戦線から離脱することになります。彼はそのまま回復することなく生涯を閉じてしまうのです。孔明の物語は、豪胆さと過ち、そして彼の成長を描いたものとして、多くの読者に深い印象を与えています。

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