字限図

字限図とは

字限図（あざきりず、じげんず、あざかぎりず）は、明治時代に作成された地図の一種で、字切図、字図、字限地図、字限絵図とも呼ばれます。この地図は、1873年の地租改正を背景に、土地の区画を字単位で把握するために作られました。

字限図の作成背景

地租改正以前にも検地帳には土地一筆ごとの字名が記録されていましたが、字限図は、検地帳の情報をもとに、さらに詳細な測量に基づいて作成されました。具体的には、地租改正の際に、各村や字ごとに一筆ごとの土地に番号を付与し、測量を行い、その結果を元に一筆ごとの見取図（野取図、一筆限図）が作成されました。これらの見取図を統合し、字単位の見取図としてまとめられたものが字限図です。

測量には、十字法や三斜法が用いられましたが、多くの場合、目測や歩測によって行われました。このため、測定誤差は30分の1まで許容されていました。作成された字限図は、地引帳とともに管轄庁に提出されました。

字限図の内容と特徴

字限図には、字ごとに字名、反別、地目別の内訳が記載され、さらに一筆ごとに番号、地目、反別が明記されていました。地租改正報告書に示された字限図の雛型にも、これらの情報が示されています。ただし、明治初期の字限図は、団子図と呼ばれる正確さに欠けるものであったため、その後の図面と比べると精度の差が見られます。

字限図の位置づけ

字限図は、地押調査図や国土調査法に基づく地籍調査によって作成された地図とともに、地籍図と呼ばれることがあります。また、字限図は、公図を作成する上で基礎となる地図としても重要な役割を果たしました。字限図は地租改正図の別称として説明されることもありますが、地租改正図には村単位で作成された村限図も含まれるため、字限図と地租改正図を同一のものとして捉えるのは正確ではありません。字限図は、地租改正図を構成する一部ではありますが、それ自体が独立した地図として存在します。

字限図と関連する概念

字限図を理解する上で、関連する概念として、大字、小字、地図混乱地域といったものが挙げられます。

大字: 字限図が作成される際の単位となる、より大きな地域区分です。
小字: 大字の下位区分で、字限図の中で一筆ごとの土地が所属する最小単位です。
* 地図混乱地域: 字限図の作成やその後の管理において、境界や地籍が不明確になっている地域のことです。これらの地域では、字限図が正確な土地の把握を行う上で重要な資料となります。

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