孝宗 (宋)

孝宗（こうそう）

孝宗は、南宋の第2代皇帝であり、諱は眘（しん）です。北宋の太祖趙匡胤の血を引く人物で、高宗に後継者がいなかったため、皇太子として迎えられ即位しました。

生涯

建炎元年（1127年）に秀州で生まれました。高宗には実子がいなかったため、遠縁にあたる趙眘が皇太子となり、紹興32年（1162年）に高宗から譲位され皇帝に即位しました。

当時の南宋は金との間で戦争状態にありましたが、孝宗は金との関係修復に努め、乾道元年（1165年）に和議を成立させました。これにより、金への歳幣負担が軽減されることとなりました。

孝宗は内政にも力を入れ、余剰な官吏の削減、会子（紙幣）の発行抑制、農村の生産力回復、江南経済の活性化など、様々な改革に取り組みました。また、高宗時代に処刑された岳飛の名誉回復を行うなど、公正な人事も行いました。

秦檜の強権的な政治に対する反省から、科挙官僚を中心とした士大夫層を牽制するために宗室や武官でも有能な人物を抜擢しました。閤門舎人を設けて武挙に合格した武官の中から学問に通じた者を側近に加えています。

孝宗の時代は、宰相が空位となる期間が多く、皇帝の権力が強い時代でした。

日本との関係では、平氏政権の平清盛との間で日宋貿易が行われましたが、あくまで民間交流であり、正式な国交はありませんでした。

淳熙16年（1189年）に子の趙惇に譲位して太上皇となりましたが、実権は掌握し続けました。晩年は孫の趙拡（寧宗）の立太子問題などで光宗と対立し、紹熙5年（1194年）に68歳で崩御しました。

孝宗の治世は、南宋の全盛期を現出した時代として評価されています。

宗室

父：趙子偁（秀安僖王）
母：夫人張氏
養父：高宗
養母：張賢妃

后妃

正室：咸寧郡夫人郭氏（贈成穆皇后）
皇后：夏皇后（成恭皇后）
皇后：謝皇后（成粛皇后）
貴妃蔡氏、貴妃李氏、淑妃陳氏、貴儀張氏、淑儀陳氏
宜春郡夫人韓七娘、信安郡夫人陳氏、永寧郡夫人劉氏、新平郡夫人黄氏、南平郡夫人関氏、永陽郡夫人王氏、平原郡夫人黄氏、新安郡夫人梁嬌娘、高平郡夫人宋氏、信安郡夫人傅氏、新安郡夫人呉氏、斉安郡夫人韓氏、咸寧郡夫人呉氏、縉雲郡夫人朱氏
国夫人方氏、国夫人高氏、国夫人鄺淑麗、郡夫人胡氏、郡夫人蘇氏、郡夫人張氏
（瓊華、緑華）
（紫霞帔呉慶慶）

子女

長男：荘文太子 趙愭
次男：魏恵憲王 趙愷
三男：光宗 趙惇 - 第3代皇帝
四男：邵悼粛王 趙恪
嘉国公主 - 早世
二女 - 夭折

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