孝懿李皇后

李皇后（りこうごう）：隆慶帝の最初の正室

李皇后は、明の第13代皇帝である隆慶帝の最初の正室であり、皇帝即位前に亡くなりました。彼女は孝懿荘皇后（こういそうこうごう）と諡（おくりな）されています。その短い生涯にもかかわらず、彼女は隆慶帝の治世において重要な存在でした。

生い立ちと結婚

李皇后は、順天府昌平県（現在の北京市昌平区）の出身で、庶民であった李銘の娘として生まれました。嘉靖32年（1553年）2月、当時の裕王であった朱載坖（しゅさいき、後の隆慶帝）に嫁ぎ、裕王妃となりました。夫婦仲は非常に良好で、二人の間には世子（後の皇太子）と長女が生まれました。

早世と諡号

しかし、李皇后は嘉靖37年（1558年）4月、若くして亡くなりました。彼女の死は、夫である裕王（後の隆慶帝）に深い悲しみをもたらしたと考えられています。また、二人の間に生まれた子供たちも早世しました。

その後、裕王が隆慶帝として即位すると、李氏は孝懿皇后の諡号を追贈されました。この諡号は、彼女の徳と貞節を称えるものでした。さらに、彼女の父である李銘には徳平伯の爵位が贈られ、亡くなった息子は皇太子、娘は公主として追封されました。

隆慶帝の崩御後、李皇后にはさらに諡号が加えられ、「孝懿貞恵順哲恭仁儷天襄聖荘皇后」と称されるようになりました。これは彼女の美徳を讃え、永遠に記憶されるべき存在として後世に伝えられました。

子女

李皇后には二人の子供がいました。

朱翊釴（しゅよくえつ）: 憲懐太子と諡されました。
蓬莱公主（ほうらいこうしゅ）

しかし、両者とも李皇后より先に亡くなっています。

李皇后に関する史料

李皇后に関する主な史料としては、以下のものが挙げられます。

『明世宗実録』: 明の第11代皇帝である嘉靖帝の時代の記録です。李皇后が裕王妃であった頃の記録が残されています。
『明穆宗実録』: 明の第13代皇帝である隆慶帝の時代の記録です。李皇后の追贈に関する記述や、彼女の家族への恩恵について記されています。

これらの史料から、李皇后の生涯や、彼女が隆慶帝に与えた影響を知ることができます。

まとめ

李皇后は、その短い生涯の中で、隆慶帝の最愛の妻であり、二人の子供の母でした。彼女の早すぎる死は悲劇でしたが、その徳と業績は後世に語り継がれています。孝懿荘皇后という諡号は、彼女の美徳と、家族に対する深い愛情を物語っています。

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