孟恩遠

孟恩遠について

孟恩遠（もう おんえん）は清末から民国初期にかけての軍人であり、その活動は多岐にわたる。彼は北京政府や安徽派に属し、そのキャリアは中国近代史における変革期と重なる。彼の字は曙村である。

初期のキャリア

1895年、孟恩遠は袁世凱が立ち上げた新建陸軍に参加することから彼の軍歴が始まる。新建陸軍は清朝の変革を受けた重要な軍事組織であり、孟もその一員として成長していく。彼は北洋第4鎮の馬標標統から始まり、直隷巡防営統領、南陽鎮総兵と次々に地位を昇進させていった。

彼の次の大きな変化は、徐世昌が東三省の総督に就任した際に、吉林巡防営督弁（吉軍翼長）として起用されたことだ。その後、北洋第23鎮の統制を担当し、重要な軍事的役割を果たす。

民国の時代へ

1912年、民国元年に鎮が師に改組されると、孟恩遠はその第23師の師長に任命され、後に吉林護軍使に昇進する。翌年、1914年には鎮安左将軍となり、吉林軍務を指揮する責任を担った。さらに、1915年12月には袁世凱が皇帝に即位する際、一等伯爵の称号を受け、いよいよその地位を確立していく。

しかし、1916年6月に袁世凱が亡くなると、孟恩遠は安徽派に所属することとなる。彼はその後の政治的混乱の中で、1917年7月に張勲の復辟に加担し、一時的に督軍の職を辞したものの、翌年には再び復職する。しかし、その復職も短命に終わり、1919年には張作霖の圧力によって吉林督軍のポジションから罷免される危機に直面した。

最後の歳月

武力で抵抗を試みるも、奉天派に敵うことはかなわず、最終的には辞任を余儀なくされる。以降は天津の租界に逃れ、政界や軍界から身を引くこととなった。

孟恩遠は1933年に病を抱えて亡くなり、その享年は75歳だった。彼の生涯は、揺れ動く時代の中での軍人としての苦闘や葛藤を反映しており、中国の近現代史において重要な存在であった。彼の業績は今もなお、歴史の中で語り継がれている。

参考文献

• - 来新夏ほか『北洋軍閥史 下冊』南開大学出版社、2001年。
• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。

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