学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

ビリギャルとは

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』、通称『ビリギャル』は、坪田信貴氏によるノンフィクション作品です。2013年に書籍として出版され、2015年には有村架純さん主演で映画化もされました。この物語は、素行不良で学力も小学4年生レベルだったギャルのさやかちゃんが、塾講師の坪田先生との出会いをきっかけに、慶應義塾大学に現役合格するまでの実話を基にしています。

物語の概要

物語の主人公、さやかちゃんは、幼少期から学校に馴染めず転校を繰り返していました。中学校ではエスカレーター式の高校、大学に進学できることを知り入学。そこで出会った友人たちと遊ぶうちに、勉強は疎かになり、高校では最も出来の悪いクラスに。授業中に雑誌を読んだり、化粧をする毎日でした。

そんなある日、担任の先生にタバコの所持を見つかり、自宅謹慎処分に。夏休み前に髪を金髪にしたさやかちゃんは、母親に勧められた塾に通い始めることになります。そこで、塾の先生から「とりあえず目標を持とう」と言われ、半ば強引に慶應義塾大学を志望校にすることに。

当初は塾のテストで全く歯が立たなかったさやかちゃんですが、塾の先生の熱心な指導や、同じ塾に通う仲間の存在によって、勉強への意欲を高めていきます。担任の先生に慶應大学を目指すと宣言した際には馬鹿にされ、合格したら校庭で逆立ちすると約束させられたことが、更なるモチベーションに繋がりました。

受験勉強

さやかちゃんは、中学受験で名古屋のお嬢様学校に合格したものの、高校2年生の夏に入塾した時点で学年ビリという状況でした。週に3回の夏期講習で中学英語を復習し、学研まんが『日本の歴史』を読み始めました。夏休み後からは週4回塾に通い、猛勉強を開始。河合塾の模試では英語の偏差値が70を超えたものの、慶應大学の合格判定はE判定でした。

その後も、単語帳で単語を覚えたり、学習漫画を読み込んだり、時事問題について議論するなど、思考力を高めていきました。高校3年生になると、塾の無制限コースを受講し、ほぼ毎日塾に通う生活を送りました。慶應義塾大学の入試科目が少ないことや、小論文が得意だったこと、英語の長文読解力が高かったことから、慶應義塾大学に絞って受験勉強を進めました。文学部の受験では、辞書持ち込み可の英語で得点を稼ぐ作戦を取り、英語1科目に集中。母親は、学校の授業で娘が居眠りすることを先生に認めてもらうよう直談判しました。

併願校として明治大学や関西学院大学に合格。本命の慶應義塾大学では、経済学部や商学部には不合格だったものの、総合政策学部に現役合格を果たしました。

映画化

2015年には、この実話が『映画 ビリギャル』として映画化されました。有村架純さんが主人公のさやかちゃんを、伊藤淳史さんが塾講師の坪田先生を演じ、多くの観客を感動させました。映画では、さやかちゃんの成長だけでなく、家族や塾の仲間たちとの絆も描かれています。

映画キャスト

工藤さやか：有村架純
坪田義孝：伊藤淳史
森玲司：野村周平
工藤あかり（さやかの母）：吉田羊

映画スタッフ

監督：土井裕泰
脚本：橋本裕志
原作：坪田信貴『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』

受賞歴

この映画は、多くの映画賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。

新藤兼人賞 プロデューサー賞
TAMA映画賞 最優秀新進男優賞
報知映画賞 助演女優賞
日本アカデミー賞 優秀主演女優賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞、新人俳優賞
ブルーリボン賞 主演女優賞、助演女優賞
エランドール賞 プロデューサー賞・田中友幸賞、新人賞・TVガイド賞
ヨコハマ映画祭 日本映画ベストテン・次点
日本映画批評家大賞 助演男優賞
藤本賞

ビリギャルの影響

『ビリギャル』は、単なる受験ストーリーにとどまらず、自己肯定感の大切さや、努力すれば人は変われるというメッセージを伝え、多くの人々に勇気を与えました。学年ビリのギャルが慶應大学に合格するという奇跡は、不可能を可能にする人間の可能性を示しています。

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