学民思潮

学民思潮（Scholarism）とは

学民思潮（がくみんしちょう、英語：Scholarism）は、かつて香港で活動していた学生運動組織です。1990年代生まれの中学生を中心としたメンバーで構成され、香港政府が推進しようとした国民教育の導入に反対する運動を展開しました。

名称の由来

「学民」という名称は、「学生」と「公民」の略語であり、学生も社会の一員として積極的に社会活動に参加すべきという考えが込められています。「思潮」は、中国の五四運動に影響を受けており、伝統的な思想を捨て、民主主義や科学を追求し、自由な思想や言論を求めた当時の学生たちの精神を受け継ぐという意味が込められています。

歴史

2011年5月29日、「學民思潮 反対徳育及国民教育科聯盟」として設立されました。当初は、香港政府が導入を予定していた「徳育及び国民教育科」に反対する団体として活動を開始しました。

2012年3月には、「改変始於足下（変化は足元から始まる）」をスローガンに掲げ、デモなどの活動を通して、徳育と国民教育科の実施を3年延期するよう政府に求めました。同時に、組織名を「学民思潮」に簡略化しました。

2012年7月1日には、香港教育局局長に対し、国民教育の撤回を求める抗議活動を6日間連続で実施しました。

2012年8月30日には、「埋単計数，撤回課程，占領政総（責任を取って、カリキュラムを撤回し、政府庁舎を占拠せよ）」をスローガンに、メンバー3人が56時間のハンガーストライキを行いました。また、「良心話事，守護孩子 公民教育開学礼大集会（良心に従い、子供たちを守る公民教育開学礼大集会）」を開催しました。

2016年3月20日、学民思潮は活動を停止しました。主要メンバーは新党を結成する見通しであることが発表されました。

2021年5月29日には、2013年に学民思潮が出版した書籍『給穿過黑衣的人』が、香港国家安全法によって検閲対象となりました。この書籍は、中国大陸で禁書とされている香港・台湾の書籍の一つです。

主要メンバー

黄之鋒（ジョシュア・ウォン）: 創設者、召集人。
林朗彦（イヴァン・ラム）: 創設者。
黄子悦（ナタリー・ウォン）: スポークスマン。
周庭（アグネス・チョウ）: スポークスマン。

関連情報

学民思潮は、香港の民主化運動において重要な役割を果たしました。その活動は、香港社会に大きな影響を与え、多くの若者たちを政治参加へと導きました。学民思潮の解散後も、そのメンバーたちは様々な形で社会活動を続けています。

外部リンク

公式サイト（中国語）
「中国共産党は進歩的かつ無私」香港の国民教育教材に批判―香港（Record China）
* 梁長官、就任翌日の市民交流でデモに遭遇（香港ポスト）

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