宅地開発研究所

株式会社宅地開発研究所の概要

株式会社宅地開発研究所（たくちかいはつけんきゅうじょ、英: TAKKEN CITY PLANNING CONSULTANTS）は、東京都新宿区に本社を置いていた日本の都市計画コンサルタント会社です。設立が昭和35年で、創成期においては新たな都市計画技術や人材育成に尽力し、多くの専門家を育成してきました。会社の存在は、都市計画の発展において非常に重要な役割を果たしました。

歴史的背景

宅地開発研究所は、昭和35年に東京大学の高山英華教授を中心に、さまざまな分野で活動している若手研究者によって設立されました。彼らは「都市建設総合研究会」として、都市計画や都市問題の調査・研究を行うことを目的としていました。その約2年後、昭和37年には正式に株式会社として設立され、初期は数名のスタッフで運営されました。

設立当初から高山英華教授が会長を務め、他にも工学院大学の名誉教授である大庭常良氏が社長を、さらに多くの著名な研究者が副会長や顧問として参加し、知識と経験が集まりました。特に彼らは、日本の都市計画の先駆者として、弟子たちへの教育や研究実践を行ってきました。

主な業績と活動

宅地開発研究所は、当時の日本において、特に大規模な宅地開発と都市計画の分野で特異な存在でした。多摩ニュータウンや港北ニュータウン、千葉ニュータウンなどの大規模プロジェクトに関与し、数多くの全国規模プロジェクトに携わりました。彼らの得意分野はマスタープランから基本設計までであり、特に新住宅市街地開発事業ではほぼ独占的な地位を占めていました。

また、社団法人日本宅地開発協会の設立にも寄与し、専門家同士の人事交流も盛んに行われていました。地方自治体や国の機関との橋渡しを行う役割も担い、各段階において計画を練り上げることに大きく貢献しました。

経営の変遷と現在の状況

しかし、経営環境は次第に厳しくなります。1990年代初頭のバブル崩壊に伴い、大型の宅地供給ニーズが低下し、住宅・都市整備公団の事業撤退もありました。その結果、宅地開発研究所も経営が危機的となり、北海道拓殖銀行の倒産に伴い、資金繰りが困難になるなど、次第に受注も減少しました。

こうした情勢の中でも、愛知万博においては愛知県の初期構想に参画し、技術者としての力量を示しました。特に、里山保全活動が注目を集めた海上の森ゾーンの計画においても重要な役割を果たしましたが、その後は大規模な都市計画プロジェクトから徐々に姿を消していきました。

代表的な文献

宅地開発研究所は、多くの学術出版を行い、その成果は今後の都市計画に大きな影響を与えています。代表的な著書には、成田ニュータウン基本計画報告書（1969年）、環境に関する個人住宅研究論文（1977年）、及びニュータウン開発における社会統合を主題とした研究（1977年）等が含まれています。これらは、計画的で持続可能な都市開発に向けた思考を促進し、後続の研究や実践の基盤となりました。

まとめ

株式会社宅地開発研究所は、日本の都市計画の発展において不可欠な存在でした。彼らが培った都市計画の技術や知識は、将来の都市計画者や研究者に多くの影響を与え続けるよう、今後もその軌跡をたどるべきです。

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