宇佐浜遺跡

宇佐浜遺跡は、沖縄県国頭郡国頭村、沖縄本島最北端の辺戸岬近辺に位置する縄文時代の遺跡です。1972年5月15日に国の史跡に指定されました。

遺跡の概要

遺跡は、国頭半島の先端部、高さ20メートル以上の断崖が海に面した場所にあります。断崖のすぐ上に広がる、なだらかな傾斜地に立地しているのが特徴です。

1970年に琉球政府によって発掘調査が行われました。その結果、貝塚と共に、建物跡と考えられる遺構が検出されています。また、土器や石器も出土しました。

出土した土器の中には、琉球縄文土器時代後期に属する壺形尖底土器が含まれています。この土器は宇佐浜式土器と呼ばれ、沖縄から出土する尖底土器の中では最も古い部類に属すると推定されています。宇佐浜式土器は、奄美群島の宇宿上層式土器とほぼ同時期のもので、年代的には本州の縄文時代末期、あるいは弥生時代初期に相当すると考えられています。

また、海浜に近い場所からは、宇佐浜式土器よりも少し新しい時代の川田原式土器が出土しています。この場所でも建物跡と思われる遺構が発見されました。これらの遺構は、沖縄の先史時代のものとしては初めて発見されたものであり、学術的にも非常に価値が高いと評価されています。

宇佐浜遺跡は、沖縄の先史文化を解明する上で、非常に重要な遺跡の一つです。出土した土器や遺構は、当時の人々の生活や文化を知るための貴重な手がかりとなります。国の史跡として、その保存と活用が期待されています。

関連情報

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