宇城市立図書館

宇城市立図書館：歴史と現状

熊本県宇城市に位置する宇城市立図書館は、本館と3つの分館から成る公共図書館です。本記事では、その歴史、サービス、各分館の特徴、そして図書館を取り巻く環境について詳細に解説します。

多様な図書館の統合と変遷

宇城市立図書館は、2005年1月15日の市町村合併（三角町、不知火町、松橋町、小川町、豊野町の合併）を契機として誕生しました。合併前は各町に独自の図書館が存在しており、これらの図書館が宇城市立図書館へと統合されたのです。当初は松橋図書館が中央図書館としての役割を担っていましたが、その後不知火図書館がその役割を引き継ぎました。

その後、2010年には移動図書館サービスを開始、2015年には松橋図書館を閉館し中央図書館への統合を図るなど、図書館の体制整備は継続的に行われてきました。2016年には豊野図書館を移転し、豊野分館として生まれ変わりましたが、同年発生した熊本地震により中央図書館が大きな被害を受け、一時休館を余儀なくされました。修復を経て2017年に再開館したものの、その後も施設の改修や名称変更といった変化が続いています。2021年には中央図書館の大規模改修工事のため休館し、2022年4月には全館で名称変更を行い、現在の宇城市立図書館となりました。同時に、不知火文化プラザとして知られていた施設名称も不知火美術館・図書館へと改称されました。

充実したサービスと各分館の特徴

宇城市立図書館は、本館と三角分館、小川分館、豊野分館の4館で構成されています。貸出サービスは国内居住者を対象としており、図書は15冊まで、AV資料は2点まで2週間の貸出が可能です。

本館: 9:00～21:00まで開館し、休館日はありません。不知火美術館と併設され、2001年には第17回図書館協会建築賞を受賞した歴史も持ちます。2022年の改修で、こども絵本のいえを増築するなど、子どもにも優しい空間が提供されています。
三角分館: 10:00～18:00まで開館。旧法務局を改築して誕生し、その後移転・改築を経て現在の姿となりました。
小川分館: 10:00～18:00まで開館。小川町総合文化センター内に併設されています。
豊野分館: 10:00～18:00まで開館。豊野支所内に位置し、地域住民にとってアクセスしやすい立地にあります。

各分館とも月曜日は休館日（祝日の場合は翌日）となっており、年末年始や特別整理日も休館となります。

移動図書館と地域への貢献

2010年から移動図書館「うきうき号」による巡回サービスも実施しており、図書館サービスの利便性向上に貢献しています。このサービスは、交通の便が悪い地域や高齢者など、図書館へのアクセスが困難な人々にとって貴重な存在となっています。

未来への展望

宇城市立図書館は、合併からの歴史の中で、幾多の困難を乗り越えながら発展を遂げてきました。現在も、地域住民のニーズに応えるべく、サービスの充実や施設の改修に積極的に取り組んでいます。特に、本館の改修やこども絵本のいえの増築は、地域の子どもたちへの読書環境整備への強い意志を示しています。これからも、宇城市立図書館は地域に密着した、愛される図書館として発展していくことが期待されます。

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