三角町

三角町の概要

三角町（みすみまち）は、かつて熊本県の宇土半島先端に位置していた町です。宇土郡に属し、現在の宇城市三角町にあたります。豊かな自然と歴史を持ち、特に明治期には三角港を中心に大きく発展しました。

地理

三角町は、宇土半島の先端に位置し、山岳地帯と沿岸部からなります。主な山としては、宇土山系に属する大岳山（標高477メートル）、三角岳（標高406メートル）、高野山（標高263メートル）が挙げられます。また、戸馳島などの島嶼も含まれます。

歴史

明治時代

1887年（明治20年）：三角港（後の三角西港）が開港。
1889年（明治22年）：町村制施行により、三角浦村、波多村、大田尾村、大岳村、中村、郡浦村、戸馳村が発足。
1899年（明治32年）：三角浦村、波多村、大田尾村が合併し三角村が発足。中村と郡浦村が合併し郡浦村が発足。九州鉄道（後の国鉄三角線）三角駅が開業。

1902年（明治35年）：三角村が町制施行し、三角町が発足。

昭和時代

1955年（昭和30年）：三角町、郡浦村、大岳村、戸馳村が合併し、新たな三角町が発足。
1966年（昭和41年）：天草五橋が開通。

平成時代

2005年（平成17年）：三角町は、不知火町、松橋町、小川町、豊野町と合併し、宇城市となり、三角町は宇城市三角町となりました。

経済

三角港

三角港は、明治時代に開港し、「明治三大築港」の一つとして知られています。特別輸出港、貿易港としても指定され、税関や郡役所などの公共施設が整備され、海運・商業活動が活発に行われました。熊本県から東京や大阪へ米を送る拠点となり、問屋や廻漕店が繁盛しました。最盛期には遊郭や旅館も多く存在しましたが、1933年の観光船沈没事故や、1966年の天草五橋開通、八代港や熊本新港の開港によって、その重要性は薄れていきました。

産業

宇土山系の南斜面には温暖な気候を生かした柑橘類の栽培が盛んです。文政年間にはサトウキビの栽培も始まり、黒砂糖の生産が盛んでした。1956年以降、柑橘類の栽培が推進され、「三角みかん」としてブランドを確立し、熊本県有数のみかん産地となりました。農業が基幹産業であり、みかんに加えて、花卉類（特に蘭）の栽培も盛んです。戸馳島では、蘭の栽培が主要な産業の一つとなっています。

教育

中学校

三角町立三角中学校

小学校

三角町立三角小学校
三角町立青海小学校
三角町立三角北小学校
三角町立三角東小学校
三角町立戸馳小学校

交通

鉄道

九州旅客鉄道（JR九州）三角線：三角駅 - 波多浦駅 - 石打ダム駅

バス

九州産交バス：三角駅前に産交バス三角営業所があり、宇土、松橋、天草諸島への路線バスが発着。

道路

一般国道：国道57号、国道266号

船舶

かつては国道フェリーや三角島原フェリーが運航していたが、現在は廃止。

名所・旧跡・観光スポット

郡浦神社
みすみフラワーアイランド（戸馳）
若宮海水浴場（戸馳）
大田尾海水浴場（大田尾）
三角西港：石積埠頭、旧高田回漕店、旧三角簡易裁判所（法の館）、浦島屋、ムルドルハウス、旧三角海運倉庫（三角築港記念館）
龍驤館
東排水路（重要文化財）
一之橋（重要文化財）
天翔台（東港）
海のピラミッド（東港）
みすみフィッシャーマンズワーフ（東港）
石打ダム親水公園（波多）
石打ダム資料館（波多）
みかん園（波多）
金桁鉱泉（郡浦）

出身著名人

阿曽田清：参議院議員
松枝顕勝：衆議院議員
森田徹：陸軍少将（ノモンハン事件で戦死）
清原康平：陸軍軍人
濱田玄達：産婦人科医、東京大学教授
清原憲一：熊本放送アナウンサー
井場友和：プロ野球選手
今井譲二：プロ野球選手
中川善雄：ハンドボール選手
平野洋一郎：アステリア社長

まとめ

三角町は、その歴史、豊かな自然、そして三角港を中心とした産業と文化の発展が特徴です。現在は宇城市の一部となり、その魅力は今もなお受け継がれています。

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