宇宙戦艦ヤマトシリーズ (PlayStation)

宇宙戦艦ヤマトゲームシリーズ：PlayStation で蘇る宇宙の戦い

1999年から2005年にかけて、PlayStationとPlayStation 2向けに発売された『宇宙戦艦ヤマト』ゲームシリーズは、人気アニメシリーズの世界観を、ウォーシミュレーションゲームとして再現した作品群です。公式には「PSゲームシリーズ」と括られることも多く、アニメを忠実に再現しつつも、ストーリーの再構成やオリジナル要素の追加など、独自の魅力を備えています。

松本零士氏監修による、新たなヤマト

このゲームシリーズは、原作者である松本零士氏が総設定と監修を務めた点が大きな特徴です。アニメ版を下敷きにしつつも、ストーリーやデザインは松本の作品観に基づき再構築されており、リメイク作品と呼ぶこともできるでしょう。キャラクターデザインは増永計介氏、メカデザインはスタジオぬえの宮武一貴氏が担当。アニメ版に近く、かつ独自のアレンジを加えたデザインが特徴的です。特にメカデザインは、『宇宙戦艦ヤマト2』まで参加していた宮武氏が、『新たなる旅立ち』以降の作品のメカも独自にデザインしており、シリーズを通して一貫性のあるメカニックデザインが実現されています。

しかし、アニメシリーズが後半になるほど松本氏のカラーが薄れていったのと同様に、ゲームシリーズも後半作になるにつれて、原作アニメからの乖離が目立つようになっていきました。また、松本零士氏のクレジットも、権利問題の影響で作品によって異なっています。

アニメ版を彷彿とさせる豪華声優陣

声優陣は、可能な限りアニメ版と同じ声優を起用しており、故人となった声優には代役が務めています。特に、『遥かなる星イスカンダル』制作時、古代進役の富山敬氏の急逝は大きな問題となり、一時的にアニメからの音声流用も検討されましたが、松本氏の推薦で山寺宏一氏が抜擢。以降、山寺氏は数多くのヤマト関連作品で古代進役を務めるようになりました。

他にも、アニメでデスラーと藤堂平九郎の二役を演じた伊武雅刀氏は、俳優業を優先して当初はオファーを断っていたものの、自身の原点であるという理由でデスラー役を引き受けました。

各タイトルの特徴

シリーズは複数のタイトルから構成されており、それぞれ独自のゲームシステムとストーリー展開が特徴です。

宇宙戦艦ヤマト遥かなる星イスカンダル

第一作『宇宙戦艦ヤマト』を原作とし、ヤマト単艦によるイスカンダルへの旅をシミュレーションゲームで表現。ヘクスマップ上での移動と、立体的な艦隊戦、そして白兵戦が特徴です。乗組員にユニット要素を持たせ、体力の管理なども重要な要素となっています。オリジナル要素として、「エルダーウッド宙域」が登場します。

さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち

『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』と『宇宙戦艦ヤマト2』を原作とする続編。3D表示の戦略マップと戦術マップ、フルボイス化、そして前作を上回る規模のCG映像が導入され、ゲームの表現力が大きく向上しています。本作では、地球防衛軍艦艇との共闘や、艦載機の独立したユニットとしての運用などが可能です。白兵戦システムは前作と異なり、一人称視点に近いクォータービューシューティングに近い仕様に変更されています。

宇宙戦艦ヤマト英雄の軌跡

前2作のファンディスク的な位置付けで、映像集や資料集などを収録。松本零士氏によるサイドストーリー「永遠のジュラ編」をゲーム化したモードも収録されています。

宇宙戦艦ヤマトイスカンダルへの追憶

PS2への移行により、グラフィックが大幅に向上。キャラクターや背景が3Dポリゴン化され、ムービーや戦闘中の会話にもキャラクターの動作が追加されました。ストーリーは「成長」をテーマとし、『新たなる旅立ち』をベースに、オリジナル要素を多数追加。長距離ワープ機関や、新たな乗組員、オリジナルキャラクターなどが登場します。

宇宙戦艦ヤマト暗黒星団帝国の逆襲

『ヤマトよ永遠に』を原作とする「暗黒星団三部作」の第2作。前作『イスカンダルへの追憶』のクリアデータが収録されています。艦隊戦に加え、TPS形式の白兵戦ミッションが復活。地球側のパルチザンの戦いなども詳細に描かれています。

宇宙戦艦ヤマト二重銀河の崩壊

「暗黒星団三部作」の最終作。前作『暗黒星団帝国の逆襲』のクリアデータが収録されています。二重銀河での新たな展開や、オリジナルキャラクターの登場などが特徴です。マルチエンディングを採用しており、プレイヤーの選択によってエンディングが変化します。

シリーズ全体を通して

本シリーズは、アニメ版『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の世界観を、それぞれのゲームシステムで独自の解釈を加えながら表現した意欲作です。技術的な進化や、ストーリーにおけるオリジナル要素の追加など、アニメファンのみならず、シミュレーションゲームファンも楽しめる内容となっています。

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