宇治田原城

宇治田原城は、かつて山城国宇治田原（現在の京都府綴喜郡宇治田原町）に存在した城館で、別名・山口城とも呼ばれています。この城は、土豪であった山口甚助の館を起源とします。

歴史

宇治田原城は、織田信長の命を受けた山口秀景によって築城されたと伝えられています。特に有名なのは、天正10年（1582年）の本能寺の変の際に、徳川家康がこの地を訪れたエピソードです。家康は、本能寺の変の混乱を避けて逃れる際、長谷川秀一の進言により、山口秀景に路次警護を依頼しました。秀景は、婿養子である山口光広と共に、宇治田原城で家康一行を温かく迎え、歓待したとされています。

しかし、このことが後に羽柴秀吉の不興を買うことになります。秀吉は、山口氏が徳川家康に通じていることを嫌い、彼らの領地を没収してしまいます。その後、徳川家康は伊賀越えの功績を評価し、山口氏に信楽に600石の朱印状を与え、山口氏は甲賀市信楽町下朝宮に山口陣屋を設けました。さらに、小牧・長久手の戦いへの参加を経て、宇治田原の領地も回復し、山口氏は旗本として江戸時代まで存続することになります。

山口秀景の実子である山口宗永は、関ヶ原の戦いで戦死しています。

城跡

現在、城址の東にある極楽寺は山口氏一族の菩提寺となっており、その山門は城の裏門として使われていたと伝えられています。また、境内にある石灯籠の一部も城のものとされており、往時の面影を偲ぶことができます。

アクセス

宇治田原城址へは、京都京阪バスの郷之口バス停、または宇治田原町うじたわLIKE(らいく)はーとバスの郷之口郵便局バス停で下車すると便利です。

宇治田原城は、戦国時代の激動を生き抜いた武将たちの足跡を辿ることができる、歴史 любителей にとって興味深い場所です。織田信長、徳川家康、羽柴秀吉という、日本の歴史を大きく変えた人物たちと関わりのあるこの城は、訪れる人々に様々な思いを抱かせることでしょう。

参考文献

『寛政重修諸家譜』巻第567
『寛政重脩諸家譜 第3輯』國民圖書、1923年、1103-1104頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082714/560。

関連項目

* 神君伊賀越え

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