宇波西神社

宇波西神社

宇波西神社（うわせじんじゃ）は、福井県三方上中郡若狭町に位置する重要な神社です。歴史ある式内社であり、その正式名称は名神大社に属しています。

祭神について

この神社の祭神は彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊（うがやふきあわせずのみこと）で、近隣の若狭彦神社には彼の親神である彦火火出見尊と豊玉姫命が祀られています。

歴史と伝承

宇波西神社の歴史は古く、伝説によれば大宝元年、すなわち701年の3月8日に創建されたとされています。初めは現在の美浜町の日向で建立されたとされ、その後、上野谷の金向山に遷座し、最終的に大同元年（806年）に現在地へ移されました。

この神社にまつわる伝承では、日向地区に住む漁師の六郎右衛門が湖で釣りをしている際、一羽の鵜が現れました。鵜は「湖の底に高貴な者がいて、助けを求めている」と告げます。六郎右衛門が鵜に導かれて湖に入ると、湖底から宝刀を見つけ、自宅に持ち帰りました。この宝刀を神棚に祀ると、夢の中に鸕鶿草葺不合尊が現れ、自らを上瀬の畔に祀るよう指示したのです。また、彼は「日向」という名をこの村に与えるようにと伝えました。このように、宇波西神社の名前は「上瀬」に由来していると言われています。

他の地域伝説では、大宝年間に鸕鶿草葺不合尊が九州の日向国を出発し、出雲国を経て日本海を渡ったとされています。これを背景に、多くの方言や地名が日向国と共通していることが、移住の歴史を証明していると考えられています。

中世・近世の状況

宇波西神社は延喜式神名帳にも記載されており、北陸道の中で唯一、月次や新嘗の幣帛を受け取る神社として知られています。しかし、建武・元亀年間には二度にわたり、火災によって社殿を焼失してしまいました。

近代・現代の発展

寛文年間には、行方久兵衛が水月湖と久々子湖を結ぶ浦見川を開削する際、宇波西神社に祈願したことがきっかけで工事は成功し、多くの信者が集まりました。この際、行方久兵衛は社領として2反の田地を寄進し、自らの手水鉢も奉納しました。現在もこの手水鉢は境内に大切に保管されています。

社殿は嘉永4年（1851年）に再建され、2015年には「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群 - 御食国若狭と鯖街道 - 」として日本遺産に認定されました。

祭事について

宇波西神社では、毎年4月8日（旧暦3月8日に基づく月遅れ）に例祭が行われ、田楽や王の舞、獅子舞、浦安の舞などの奉納が行われます。これらの祭事は地域の文化遺産として重要な位置づけを持っています。

文化財

宇波西神社は、国の選択無形民俗文化財に指定されており、その祭礼は福井県の無形民俗文化財としても認定されています。

外部リンク

• - 宇波西神社 福井県神社庁

このように、宇波西神社は古代から続く神話や地域に根ざした伝承が息づく神社であり、祭りを通してその文化的な重要性を感じることができます。

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