宇都宮朝末

宇都宮朝末の生涯

宇都宮朝末（うつのみや ともすえ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将であり、城井氏の最後の当主である城井朝房の子として生まれました。彼は1588年に誕生し、生まれながらにして多くの苦難を背負う運命にありました。

幼少期と家族の歴史

朝末の父、城井朝房と祖父の城井鎮房は、所領の安堵を巡る争いに巻き込まれ、黒田孝高と長政の謀略によって命を落としました。このため、母の竜子（父は秋月種実）も身を隠さざるを得ず、彼女は英彦山の近くにある宝珠山へ逃げ、そこで朝末を出産しました。こうした厳しい背景の中で、朝末は外祖父の秋月種実に育てられることとなりました。

官職への道

やがて朝末は宇都宮姓を名乗り、松平忠昌に仕官します。彼は徳川家康にも謁見し、その際に「いずれ家臣を率いて参陣すれば、関東で所領を与えよう」との約束を得ました。この約束により、彼は家の再興を目指し、城井谷の旧臣たちを集めることになります。彼の希望は、大坂冬の陣に参加することで自らの名誉を取り戻すことでした。

不運な晩年

しかし、運命は彼を裏切ります。病を患い、壊疽に見舞われた朝末は歩行が困難となり、大坂冬の陣への参戦が叶いませんでした。この失意に包まれた彼は、周囲の旧臣たちに頼るようになり、隠棲生活を余儀なくされました。残念ながら、彼はその後ほどなくして病に倒れ、享年27歳以上の若さでこの世を去りました。正確な没年は不明ですが、慶長19年（1614年）以降に亡くなったと考えられています。

子孫の運命

朝末には子どもがいて、その名を春房（ほぼ信房、信隆、春房、種房の順に改名）といいます。彼は父朝末の再興運動を引き継ぎ、城井谷を訪れて旧臣たちとの交流を続けました。春房の子、信隆（後の高房）は越前松平家福井藩に仕官し、当初は微禄の500石（後に650石に増加）でありましたが、その子孫は明治維新まで松平家に仕え続けました。

まとめ

宇都宮朝末の生涯は、栄光に満ちた武将としての夢を抱きながらも、悲劇に見舞われた短いものでした。しかし、彼の子孫たちはその足跡を受け継ぎ、再興を果たす努力を続けました。朝末の物語は、日本の戦国時代の混乱と人々の運命を物語っています。

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