宇高航路

宇高航路の概要と歴史

宇高航路（うこうこうろ）は、岡山県玉野市の宇野港と香川県高松市の高松港を結ぶ重要な航路として、1910年に開設されました。この航路は、本州と四国を結び、国道30号の海上区間を担い、定期運航としては109年の長い歴史を持っています。初期の頃は、国有鉄道の宇高連絡船が出発点で、国鉄からJR四国に受け継がれた経緯があります。

航路の運航状況

宇高航路は、運航開始以来、戦後は民間の3社によるフェリーサービスが展開され、ほとんどの期間で終夜運航が実施されていました。その中で、最後まで航路を維持していたのは四国フェリーで、2019年12月15日の運航を最後にこの航路は休止となりました。この他にも、津国汽船と宇高国道フェリーが存在しましたが、いずれも運航休止に追い込まれています。

設立と運航の歴史

宇高航路の運航は、1910年6月12日に宇高連絡船が就航し、以後全国の交通体系の一部として重要な役割を果たしてきました。1920年には宇高連絡船が鉄道省に昇格。戦時中や戦後の日本の復興期においても、この航路は多くの人々の移動手段として利用されてきました。

しかし、1955年には悲劇的な事故が発生し、紫雲丸の沈没事故により168名の人命が失われました。この事件は航路の安全性への懸念を呼び起こし、以後の運営に影響を及ぼしました。

経営問題と航路の衰退

時代の変化とともに、経済的な背景も影響し、利用客数は減少し始めました。高速道路の整備が進む中で、特に2009年からの休日1000円効果による交通手段の多様化が、宇高航路の経営に深刻な影響を及ぼしました。津国汽船は2009年3月に航路を休止し、その後も国道フェリーと四国フェリーは同様の困難に直面しました。

自治体の支援も行われましたが、運航を続けた四国フェリーも、収支の安定には至らず、最終的には2019年に運航を完全に休止することとなりました。この流れは、多くの企業と地域経済にも波紋を広げ、地域交通の維持の難しさを浮き彫りにしました。

結論

宇高航路は、長い歴史を持ちながらも、経営問題や周辺交通の変化により、運航を休止するに至りました。今後、地元自治体や関係者がどのように地域交通を支えていくのかが問われるでしょう。地域交通の在り方を改めて考える契機となる出来事です。

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