守屋美都雄

守屋美都雄: 日本の東洋史学者

守屋美都雄（もりや みつお、1915年3月31日 - 1966年7月10日）は、日本の著名な東洋史学者であり、特に中国の古代史や家族制度に関する研究で知られています。彼の業績は広範囲にわたり、学界で高い評価を受けました。

東京に生まれ育った守屋は、旧姓を吉川とし、1938年に東京帝国大学文学部の東洋史学科を卒業しました。この大学での学びを経て、彼は東洋大学の教授に就任し、その後、大阪大学に移籍しました。彼は1951年から1966年まで、文学部で助教授、教授として勤務し、教え子たちに大きな影響を与えました。

守屋の研究は、中国の年中行事や家族制度といったテーマを中心に展開されました。彼は、1962年に発表した論文「中国古歳時記の研究 資料復元を中心として」により、阪大文学博士の称号を取得しています。この論文は、中国の伝統的な歳時記の資料を詳細に検討し、その復元に焦点を当てたもので、彼の能力を示す重要な業績の一つです。

主な著作

守屋は多くの著作を残しており、その中でも特に以下の作品が注目されています。

• - 『六朝門閥の一研究 太原王氏系譜考』（1951年）: 日本出版協同によるこの著作は、古代中国における門閥のシステムについての詳細な考察を行っています。
• - 『漢代家族の形態に関する考察』（1956年）: この著作は、漢代の家族に関するさまざまな観点からの研究成果を示しています。
• - 『中国古歳時記の研究 資料復元を中心として』（1963年）: 前述の論文を基に、中国古代の歳時記についての新たな知見を提供しています。
• - 『中国古代の家族と国家』（1968年）: 東洋史研究会から発表したこの作品は、家族制度と国家構造の関連性について深く掘り下げています。

さらに、守屋は以下の重要な編纂や注釈も行いました:

• - 『亜細亜史概説 中世篇』（1940年）: 歴史学叢書にて、アジアの中世に関する概説を編纂しました。
• - 『荊楚歳時記 中国民俗の歴史的研究 校註』（1950年）: この校註は、中国の民俗が持つ歴史的な価値を特色づけています。

守屋は1966年に51歳という若さで亡くなりましたが、彼の業績は今も多くの研究者に影響を与え続けています。彼に対する追悼や評価は後世に残り、その著作は現在でも研究の参考となっています。

参考文献

彼の存在と業績について詳しい情報を得るためには、デジタル版日本人名大事典 や『荊楚歳時記』の紹介文を参照することが有効です。また、内田智雄による「守屋教授を悼む」内の略歴や著作目録も貴重な情報源です。

守屋美都雄は、日本における東洋史学の発展に寄与し、その影響は今なお続いています。

もう一度検索