守澄法親王

守澄法親王（しゅちょうほっしんのう）

守澄法親王は、寛永11年（1634年）に後水尾天皇の第六皇子として誕生しました。幼くして仏門に入り、その生涯を仏道に捧げました。江戸時代初期という時代背景の中、皇族でありながら僧侶として、また宗教者として重要な役割を担いました。初代輪王寺宮門跡として知られ、東叡山（寛永寺）と日光山輪王寺の貫主を務めたことは、特筆すべき事績です。

生涯

守澄法親王の生涯は、朝廷と江戸幕府との関係の中で、重要な転換期を迎えることとなります。寛永15年（1638年）、江戸幕府は朝廷に対し皇子を仏門に入れるよう要請し、翌年には幕府と朝廷の間で皇子下向の契約が結ばれます。この契約に基づき、守澄法親王は寛永21年（1644年）に青蓮院で得度し、尊敬法親王と名乗ります。正保4年（1647年）には、関東に下向し東叡山に入山しました。

慶安元年（1648年）には、3回の日光登山を敢行し、信仰を深めます。慶安2年（1649年）には、一品宣下を受けるため上洛しました。承応3年（1654年）には、紅葉山家光廟の安鎮修法を行い、同年11月には前座主の公海から譲られ、東叡山・日光山の貫主となります。

明暦元年（1655年）には、大内裏の安鎮修法のために再度上洛し、朝廷から天台座主を宣下されます。さらに、大内裏安鎮修法を行った功績により、朝廷から日光山に対して「輪王寺」の号が与えられました。これにより、輪王寺宮門跡が創設され、守澄法親王が初代門跡となります。しかし、同年12月には天台座主を辞任しました。

明暦2年（1656年）には、幕府によって輪王寺宮門跡が比叡山、東叡山、日光山の三山を管領する長として定められます。万治元年（1658年）には、徳川秀忠27回忌法会において、守澄法親王の請願により大赦令が出されました。万治2年（1659年）には、江戸城本丸御殿の安鎮修法を行っています。

寛文4年（1664年）には、東叡山宝樹院霊牌所の安鎮修法を行い、寛文6年（1666年）には、後水尾院との対面、後陽成・後光明院の法会のために上洛します。延宝元年（1673年）には、諱を改め（守澄法親王）、後に第2代輪王寺宮門跡となる天真法親王の得度に立ち会うため上洛しました。

延宝5年（1677年）と翌年の5月には、東福門院和子の病気平癒を祈祷するため上洛します。そして、延宝8年（1680年）に入滅しました。その後、天真法親王が輪王寺を継ぎました。

業績と影響

守澄法親王は、輪王寺宮門跡の初代として、その基盤を築きました。また、天台座主としての活動、数々の安鎮修法など、仏教界に大きな影響を与えた人物です。朝廷と幕府との関係の中で、宗教的な役割を果たし、政治的な側面でもその存在感を示しました。

守澄法親王の生涯は、江戸時代初期の宗教界における皇族の役割、そして朝廷と幕府の関係を理解する上で、重要な資料となります。

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