守田勘彌 (11代目)

十一代目 守田勘彌

十一代目 守田勘彌（1800年 - 1863年）は、江戸時代後期から幕末にかけて活躍した歌舞伎役者です。坂東蓑助、坂東三津五郎としても知られ、屋号は大和屋（坂東蓑助・坂東三津五郎）、喜の字屋（守田／森田勘彌）。俳名に佳朝・秀朝があります。

来歴

1803年、三代目坂東三津五郎の養子となり、二代目坂東蓑助を経て、1832年に四代目坂東三津五郎を襲名しました。

その後、四代目三津五郎は、十代目森田勘彌の死後、空席となっていた「森田勘彌」の名跡を相続することになります。しかし、この名跡には森田座の座元としての職務が伴うため、十代目勘彌の養父であった九代目森田勘彌（当時は坂東八十助）がこれに反対し、訴訟沙汰に発展しました。最終的には、九代目勘彌側が折れる形で、1850年に四代目三津五郎が十一代目森田勘彌を襲名することが認められました。

森田座は、1837年に負債過多で休座となっていましたが、安政2年（1855年）に河原崎座が焼失したことを受け、1856年に再興されました。さらに、1857年には座名を「守田座」と改称しました。これは、経営不振を座名のせいにしたもので、「森の下に田」では日当たりが悪く実りが悪いと考え、「田を守る」と改めることで豊作を願った験担ぎでした。これに伴い、「森田勘彌」の名跡も「守田勘彌」と改められました。

人物・芸風

十一代目守田勘彌は、天保年間から中風に悩まされ、晩年は半身不随に近い状態でしたが、舞台に上がり続けました。その姿から「ヨイ三津」という愛称で親しまれました。

大柄で細面、鼻が高く、容姿端麗であり、和事を本領としましたが、特に生世話物を得意とし、その軽妙な口跡と演技は天下一品と評されました。また、機知に富み、文才もあり、俳諧にも通じていたと伝えられています。

実兄は落語家の初代金原亭馬生です。

十一代目守田勘彌は、その才能と不屈の精神で、歌舞伎界に大きな足跡を残しました。

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