安倍源基

安倍源基に関する詳細な紹介

生い立ち

安倍源基（あべ げんき）は1894年2月14日、山口県熊毛郡曾根村（現在の平生町）で誕生しました。彼は山口県士族安倍半次郎の長男として成長し、山口県立山口中学校、徳山中学校、第六高等学校を経た後、東京帝国大学法学部に進学しました。1920年に卒業後、彼は内務省に入省し、警察行政に関わる道を歩み始めました。

内務官僚としての主な業績

1920年に内務省に入省した安倍源基は、内務省の警保局に配属されました。1932年には警視庁の初代特別高等警察部長に就任し、その任務を通じて「赤狩り安倍」と呼ばれるようになります。彼は日本における共産主義勢力との闘いにおいて、特高警察を指導し、さまざまな事件への対応にあたりました。特に、1933年には特高警察による厳しい取り調べの中で19人が命を落とし、その中には著名なプロレタリア文学作家である小林多喜二も含まれていました。

また、1936年には二・二六事件に際して戒厳会議のメンバーとしても参加し、右派の政治家や組織との関与があったことが後の歴史的な論考において注目されています。彼はその後も保安課長や警視総監として様々な役職を歴任し、国の治安対策の一翼を担っていました。

政治活動と戦後の影響

第二次世界大戦末期の1945年には鈴木貫太郎内閣で内務大臣に就任し、ポツダム宣言受諾に際しては他の閣僚とともに反対意見を表明しました。戦後にはA級戦犯として逮捕され、一時は公職追放の憂き目に遭いますが、1948年に不起訴となり釈放されました。

その後は、新日本協議会を設立し、代表理事として活動しつつ、警察の中央集権的な体制を整えることに尽力しました。また、1956年の参議院議員通常選挙には自由民主党の公認候補として立候補しましたが、惜しくも当選には至りませんでした。自民党内でも右派の中核としての役割を果たし、警察制度の整備に尽力しました。

家族と及び著作

安倍源基は、外務官僚で法学博士の妻藤子と結婚し、長男である基雄も官僚や衆議院議員として活躍しました。家族は伝統的な士族の背景を持ち、安倍自身も日本の官僚制度と政治の変遷に深く関わっていました。

彼はまた著作活動にも力を入れ、特に『昭和動乱の真相』や『憂国直言　新日本建設のために』などの著書を通じて自身の見解を広めています。

最後の年

安倍源基は1989年10月6日に95歳で亡くなりました。生涯を通じて日本の内務省や警察行政において役割を果たし、彼の政治的活動や業績は日本政治史において重要な位置を占めています。彼の遺産は今もなお、政治や治安に関わる分野に多大な影響を与え続けています。

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