安全地帯I Remember to Remember

アルバム『安全地帯I Remember to Remember』の概要

『安全地帯I Remember to Remember』は、日本の人気ロックバンドである安全地帯の記念すべき1枚目のオリジナルアルバムです。1983年1月25日にKitty Recordsからリリースされ、作詞は主に松尾由紀夫が担当し、作曲は玉置浩二が手掛けました。また、プロデューサーには星勝が名を連ねています。

このアルバムは、1982年に日本国内で行われたレコーディングを経て完成しました。その際、後に安全地帯や玉置のソロ作品でも重要な役割を果たすことになるキーボーディスト川島裕二が参加し、アメリカンロックに根ざした独自のサウンドが生まれました。特にドゥービー・ブラザーズからの影響が色濃く、さらにニュー・ウェイヴの潮流も取り入れたキーボード音が特徴的なアレンジとなっています。

背景と結成

安全地帯のボーカル、玉置浩二は幼少期から歌手を志しており、中学校時代に武沢豊と共に「インベーダー」というバンドを結成します。その後、バンド名は「安全地帯」に変更され、これは当時流行していたピースサインを意識したものでもありました。1972年にヤマハポピュラーソングコンテストで優秀賞を受賞した際、玉置はロックに強く傾倒し始めます。

1977年にはメンバーが増え、一時誤解から8人編成となりましたが、最終的には5人編成に戻り、旭川の廃屋を改造してスタジオ「ミュージカル・ファーマーズ・プロダクション」を設立しました。このスタジオで彼らは音楽に没頭し、デモテープがキティレコードの社長の手に渡ったことでメジャーデビューへつながりました。

レコーディングと音楽性

レコーディングは1982年8月から11月にかけて行われ、プロデューサーの星勝のもと、サウンドの充実した作品が生まれました。既存のシングルではバンドサウンドが強調されていましたが、本作ではキーボードの音色が前面に出ており、リバーブ処理によってボーカルも際立つアレンジが施されています。このようにアルバムの音楽性は、試行錯誤を繰り返した末に進化を遂げ、直前のデビューから短期間の間に大きく変貌しました。

玉置は自伝の中で、ニュー・ウェイヴの影響を受けたと語っており、新たな音楽的アイデアを素早く吸収していたと述べています。音楽情報サイトのCDジャーナルでも、ロック色の強い楽曲として評価されています。

リリースと商業成績

アルバムは1983年にLPとカセットテープの形でリリースされ、1984年にはCDでも登場しました。その後も再リリースが行われ、特に2017年にはデビュー35周年を記念した紙ジャケット仕様のSHM-CDとしてリリースされました。

オリコンチャートでは、LPが最高26位、カセット版が22位を記録し、累計の売上は10.7万枚に達しました。また、2022年にはアルバム人気ランキングで6位に選ばれるなど、今なお多くのファンに愛されています。

収録曲とスタッフ

本作には、玉置浩二をはじめとしたメンバーが参加し、様々なジャンルの音楽家が協力しました。プロデューサーの星勝を中心に、各楽器の専門家が集結し、豊かな音楽的背景を持ったアルバムが完成しました。

このように『安全地帯I Remember to Remember』は、バンドの初期の重要な作品であり、後の活動に大きな影響を与えるものとなりました。彼らの音楽がどのように展開していくのか、今後の成長にも期待が寄せられます。

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