松尾由紀夫

松尾由紀夫

松尾由紀夫（まつお ゆきお、1952年 - 2021年6月28日）は、日本の著名な作詞家であり、東京都で生まれました。彼のキャリアは主に作詞の分野で知られていますが、その活躍の場は広告や編集など多岐にわたります。

経歴の始まり

松尾は1971年からフリーランスの著作家としての道を歩み始めました。19歳の時、広告の文章作成を手がける中で、さまざまな媒体との出会いがありました。これを機に、雑誌『Panoramic Mag.IS』の企画・創刊にも関与し、クリエイティブな活動が広がっていきました。さらに、フリーランスの編集者としても雑誌や単行本の制作に携わり、その名を知られるようになりました。

作詞家としての活動

1982年には、自身が手がけたコラム本『“雑学人間”入門』を青春出版社から発刊し、作詞家としての本格的なキャリアが始まりました。1983年には、藤村美樹のソロアルバム『夢恋人』に作詞を提供し、その後安全地帯の1stアルバム『安全地帯I Remember to Remember』の楽曲の大半に作詞を手がけました。これ以降、松尾は主に作詞提供、コンサートの構成演出やアーティストブックの編集・執筆に力を入れるようになります。

ヒット曲の数々

彼の作詞家としての重要な作品には、HOUND DOGの「ff」があります。この曲はヒットしながら、松尾の名を多くの音楽ファンに浸透させるきっかけとなりました。彼が手がけた楽曲は多岐にわたり、以下は彼の代表的な作詞提供アーティストと楽曲の一部です:

• - 安全地帯: 「ラスベガス・タイフーン」「アイ・ニード・ユー」など
• - 一世風靡セピア
• - 伊藤銀次
• - 上田正樹
• - KAN: 「WAITING SO LONG」
• - 桜井幸子: 「瞳はイノセント」

さらに、PSY・Sの楽曲では多数の作品に名を連ね、「電気とミント」「青空は天気雨」「Angel Night〜天使のいる場所〜」等、幅広いジャンルで活躍しました。彼の作詞スタイルはシンプルでありながらも、聴く人の心に響くものがあると高く評価されています。

編集・著作活動

松尾は作詞業だけでなく、アーティストブックの編集や執筆にも力を入れました。代表作には、山本達彦の『夜のピアノ』や、大瀧詠一の『NIAGARA SONG BOOK 2』があり、これらは多くの読者に親しまれました。また、ラジオのスクリプト制作にも携わり、NHK-FMやニッポン放送などでその実力を発揮しました。

最後の年まで

最後まで多才な作詞家として活動を続け、2021年にその生涯を閉じました。松尾由紀夫は、独自の視点と感受性で多くのアーティストと共に歩んだ彼の足跡は、今も日本の音楽シーンに影響を与え続けています。彼の遺した数々の名曲は、今後も世代を超えて歌い継がれていくことでしょう。

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