安全地帯X〜雨のち晴れ〜

アルバム概要

『安全地帯X〜雨のち晴れ〜』は、日本のロックバンドである安全地帯が2003年にリリースした10枚目のオリジナルアルバムです。Sony Music Recordsから10月22日に発売され、前作『安全地帯IX』から約1年2ヶ月後のリリースとなりました。全ての作詞を黒須チヒロが手掛け、作曲は玉置浩二が行っています。また、プロデューサーには星勝と金子章平が名を連ねています。

レコーディングと音楽性

前作同様、レコーディングは軽井沢にあるウッドストックスタジオで行われ、安全地帯の5名による基本的な編成で制作されました。一部の楽曲にはキーボーディストの安藤さと子が参加し、プロデューサーたちもコーラスに加わっています。本作は前作よりも明るい曲調が増え、ロックからバラードまで広範囲のジャンルが網羅されています。

先行シングル「雨のち晴れ/ショコラ」は、江崎グリコのアーモンドチョコレートの広告ソングとしても起用されました。本アルバムはオリコンチャートで最高20位を記録しています。

活動休止前のツアー

アルバムリリースを受けて開催されたコンサートツアー「安全地帯コンサートツアー2003」は、全国38都市で45公演を行い、完全復活を遂げたかのように見えました。しかし、玉置浩二はアルバム制作やツアーを楽しむことが難しかったと語り、活動休止を宣言。これにより、次世代のシングルやアルバムのリリースまで6年半の期間を要することになりました。

背景と経緯

前作『安全地帯IX』の後、バンドは全国ツアーを実施しましたが、メンバーの武沢豊が事故で腕を負傷し、途中から参加できないという出来事がありました。2003年には玉置がNHKのドラマに出演し、シブヤエッグマンでフルメンバーが揃ったライブも行われました。これらの活動の中で、安全地帯は新たな音楽ファンを獲得していきました。

音楽的な特徴

本作は音楽的にカラフルで多様内容を含んでおり、初回限定版にはPVが収録されたDVDも含まれています。志田歩の著書では、本作はより陽気で軽快な要素が強まっていて、メンバー全員が自発的にアイデアを出し合いながら制作が行われたことが強調されています。また、全体的にメンバーの衣装もカジュアルでカラフルに変化し、新しい姿勢を見せています。

批評と評価

批評家たちは本作の音楽性や玉置浩二のボーカル力を高く評価し、幅広い楽曲を収録している点が称賛されています。音楽情報サイトでは、「大人のロック」とも称されるその内容を評価し、多様な楽曲群を玉置浩二の卓越した歌唱力で彩っているとされています。

売上と印象

本作はオリコンチャートで20位を記録し、2万枚近い売上を果たしました。2022年には安全地帯のアルバム人気ランキングでも注目を集め、その影響力は今なお健在です。安全地帯の音楽が持つ魅力は、リスナーに鮮やかな印象を与え続けることが確実です。

収録内容

アルバムには、シングル「雨のち晴れ」や「ショコラ」を含む曲が集められています。内容の充実したこのアルバムは、安全地帯の歴史の中でも重要な位置を占めています。

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