安岡チョーク

安岡チョーク（本名：プラソップチョーク・クラングン）は、1973年1月18日にタイで生まれた、日本の車いす陸上競技選手です。アテネパラリンピックにおける金メダリストであり、現在はリーフラス株式会社に所属しています。

タイのプラチュワップキーリーカン県で、農家の長男として生を受けた安岡氏は、先天的に両脚が太ももまでの障がいを持っていました。幼少期は家の中を腕で移動し、小学校へは母親が自転車で送り迎えをする日々を送りました。その後、バンコクの全寮制養護学校に進学し、13歳で車いす陸上競技を始めます。

1990年には初の国際大会である大分国際車いすマラソンに出場。タイ代表として、バルセロナ、アトランタ、シドニーと3大会連続でパラリンピックの舞台に立ちました。特に1996年のアトランタパラリンピックでは、10000メートルで銅メダルを獲得するなど、着実に国際的な実績を積み重ねていきました。

2001年に日本人女性と結婚したことを機に、翌年日本に移住。大分県内の医院で看護助手として働きながら競技を継続します。この頃、日本障害者スポーツ協会および国際パラリンピック委員会の特別な措置により、タイ国籍を保持したまま、2003年から日本代表選手としての活動を開始しました。

日本代表として迎えた2004年のアテネパラリンピックでは、その才能を開花させます。男子800メートル（T54クラス）で見事優勝を果たし、金メダルを獲得。さらに400メートル（T54クラス）では銀メダル、400メートルリレー（T53-54クラス）では銅メダルと、合計3つのメダルを獲得する快挙を達成しました。これは、タイ出身でありながら日本代表としてパラリンピックの頂点に立った歴史的な瞬間でした。

アテネ大会後も現役を続け、2008年の北京パラリンピックにも日本代表として出場しましたが、残念ながらメダルには届きませんでした。しかし、その競技人生を通して、障がいを持つ人々に希望と勇気を与え、国際的なスポーツ交流にも貢献しました。

現在もリーフラス株式会社に所属し、様々な活動を行っています。安岡氏の軌跡は、国籍や障がいを超えて挑戦し続けることの重要性を示しています。

主な競技成績

1996年 アトランタパラリンピック 10000m T52-53 銅メダル
1996年 東京車いすマラソン 優勝
2004年 アテネパラリンピック 800m T54 金メダル
2004年 アテネパラリンピック 400m T54 銀メダル
2004年 アテネパラリンピック 400mリレー T53-54 銅メダル
2006年 IPC陸上競技世界選手権大会 5000m 銅メダル
2006年 バンコクマラソン（車いす部門） 優勝
2006年 大分国際車いすマラソン 3位
2006年 日本身体障害者陸上競技選手権 800m、1500m 優勝
2007年 ソウル国際車いすマラソン 3位

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