安東玉彦

安東玉彦

安東玉彦（あんどう たまひこ、1900年8月7日 - 1990年9月19日）は、日本の政治家であり、大分県大分市長を務めた人物です。彼は、激動の時代における大分市の発展に大きく貢献しました。

生涯

安東玉彦は、1900年に大分県で生まれました。教育者としての道を歩み始め、大分師範学校を卒業後、法政大学高等師範部でも学びました。その後、大分師範学校の教諭として教鞭を執り、大分県視学、大分県立竹田高等女学校（現大分県立竹田高等学校）校長、大分県立別府高等女学校（現大分県立別府鶴見丘高等学校）校長を歴任しました。これらの教育現場での経験は、彼の後の政治活動にも大きな影響を与えたと考えられます。

1947年、安東玉彦は大分市助役に就任し、政治の世界へと足を踏み入れました。そして1963年3月、周辺市町村との合併を経て新設された大分市の市長選挙で初当選を果たし、その後1975年まで3期12年にわたり市長を務めました。

大分市長として

安東玉彦が市長を務めた12年間は、まさに日本が高度経済成長期を迎えていた時期でした。この間、大分市も大きな変貌を遂げました。1964年1月には新産業都市の指定を受け、沿岸部が埋め立てられ、新日本製鐵大分製鐵所や昭和電工大分事業所などの大企業が次々と進出しました。これにより大分臨海工業地帯が形成され、大分市は経済的に大きく発展し、人口も急増しました。安東玉彦は、この発展を牽引する重要な役割を果たしました。

安東玉彦のリーダーシップのもと、大分市は教育、経済、都市基盤の整備など、多岐にわたる分野で発展を遂げました。彼の市長としての功績は、今日の発展した大分市の基礎を築いたと言えるでしょう。

1990年、安東玉彦は生涯を閉じました。彼の死を悼み、大分市は市民葬を執り行い、その功績を称えました。

著書

安東玉彦は、自身の経験や考えを後世に伝えるため、以下の著書を出版しています。

問わず語り（1987年4月1日、佐伯印刷）
市政随想（安東玉彦図書刊行会）

これらの著書は、安東玉彦の思想や市政に対する姿勢を知る上で貴重な資料となっています。

まとめ

安東玉彦は、教育者、政治家として大分市の発展に尽力した人物です。特に市長としての12年間は、高度経済成長という時代の波に乗り、大分市を大きく発展させました。彼の功績は、今もなお大分市民に語り継がれています。

参考文献

* 『現代物故者事典 1988～1990』日外アソシエーツ、1993年。

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