安濃郡 (三重県)

安濃郡の歴史と変遷

安濃郡（あのうぐん）は、三重県に位置するかつての郡であり、その設立は1879年にさかのぼります。当時の安濃郡の区域は、現在の津市の一部とその周辺の町村を含む広範な地域でした。

郡の成立と行政区画

安濃郡の発足は1879年2月5日に実施された郡区町村編制法に基づいて行われ、郡役所は新町に設置されました。それ以前は、古代から中世にわたり、地域は分割されており、特に安東郡と安西郡に分けられていましたが、後にこれらが統合され安濃郡として再編成されたのです。

古代から近代の変遷

初期の安濃郡の行政区画は、明治初年時点で83村から構成されていました。明治4年には藩領が津県、久居県に分かれ、その後すぐに安濃津県を経て三重県に改称されました。地理的にも、一志郡との境界が相川に定められ、周辺地域との関係が整理されました。さらに、明治7年になるといくつかの村が合併し、新たに相生村、中川村、三郷村などが誕生しました。

町村制以降の発展

1889年には町村制が施行され、その結果として多くの新しい村が設置されました。この時点で安濃郡は、1町17村で構成され、全域が現在の津市に含まれるようになりました。特に津市の成立は、郡からの離脱を意味し、郡域の縮小が進みます。

近代の縮小と消滅

安濃郡はその後も数度の行政改革を経て、1934年には新町が津市に編入され、その後も段階的に村が市に組織されていきました。1943年には神戸村や安東村、櫛形村が津市に編入され、最終的に1956年には安濃郡が消滅しました。この時、安西村や雲林院村、河内村などが隣接の河芸郡と合併し、安芸郡が発足しました。

終わりに

安濃郡は古代から近代にかけて歴史的に重要な役割を果たした地域ですが、時の流れに沿ってその姿を変えていきました。消滅した後も、その名は歴史的背景として津市に残り、地域の人々にとって重要な意味を持っています。今日では消滅した郡の一部として、安濃郡は三重県の地名や地域の歴史を継承する実体として語り継がれています。

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