安田峰俊

安田峰俊について

安田峰俊（やすだ みねとし、1982年1月18日生まれ）は、日本のルポライターとして知られ、特に中華圏や在日ベトナム人社会に関する著作が多い。彼は立命館大学人文科学研究所の客員協力研究員を務め、以前には多摩大学で非常勤講師として教育に従事していた。

来歴

滋賀県能登川町（現在の東近江市）の出身であり、滋賀県立八日市高等学校を卒業した後、立命館大学の文学部に進み、東洋史学を専攻した。卒業後は広島大学大学院に進学し、修士課程を修了。在学中は、中国明清時代の華南における宗族に関する研究テーマを扱っていた。その後、一般企業での勤務を経て、さまざまな職業を経てノンフィクションのライターとしての道を歩み始めた。また、在学中には、中国の深圳大学に交換留学し、国際的な視野を広げた。

2010年に、フリー編集者の堀田純司の発掘により『中国人の本音』（講談社）でデビューし、その後も書籍や雑誌、テレビなど多岐にわたるメディアで活躍している。彼の著作は、中国の社会問題や人々のリアルな声を伝えるものであり、その内容は鋭い視点からの観察に基づいている。

受賞歴

安田はその作品や活動が評価され、2018年には『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』で、第5回城山三郎賞と第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。また、2021年に刊行した『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』が及川眠子賞を受賞している。これらの受賞歴は彼の執筆活動における重要な成果を示すものである。

執筆スタイルとテーマ

安田の著作は、広範なテーマを扱うことが特徴で、中国のさまざまな社会問題に対する鋭い洞察と、在日ベトナム人に関連するテーマに対する深い理解が反映されている。彼は天安門事件や香港デモ、在日ベトナム人の犯罪、中国の対日スパイ工作、台湾有事など、時事的かつ重要なテーマに取り組んでおり、正統派のノンフィクションやジャーナリズムの手法を駆使している。

また、彼は中華圏の著名人へのインタビューを通じて、多様な視点を読者に提供しており、アカデミックな歴史学の知識を生かした中国論や、中国の恐竜事情など、ユニークなテーマも扱っている。安田の作品は、しばしば硬派と軟派を織り交ぜた執筆スタイルで、読者に強い印象を残す。

プライベートとエピソード

興味深いことに、安田は「迷路人」というハンドルネームで、中国のネット掲示板を日本語に翻訳・編集するブログを運営していた経験がある。また、彼は中国メディアにおいて「中国で一番有名な日本人」として取り上げられた経歴詐称を検証し、加藤嘉一の経歴問題を報じたこともある。

また、ゲーム好きとして知られ、スクウェア・エニックスのゲーム『ロマンシング サ・ガ3』を長年プレイしてきたと語り、関連する特集記事も執筆した。恐竜への関心もあり、中国の恐竜学者へのインタビューを行ったり、恐竜に関する著作を発表している。

結論

安田峰俊は、その多様な著作とともに、社会問題や文化的なテーマに深く切り込む姿勢を持ったルポライターである。彼の作品は、読者に対して新たな視点を提供し、理解を深めるための重要な情報源となっている。

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