能登川町

能登川町（のとがわちょう）：滋賀県の歴史と自然が息づく地

能登川町は、かつて滋賀県神崎郡に属していた町です。琵琶湖の豊かな自然に抱かれ、麻織物の産地、近代には紡績で栄えた歴史を持ち、近江商人発祥の地の一つとしても知られています。2006年に蒲生町と共に東近江市に編入され、その名は消えましたが、今もその地域名として人々に親しまれています。

地理

能登川町は滋賀県の中央部に位置し、町域の北西部が琵琶湖に面していました。町の東部には愛知川が流れ、彦根市、愛知川町との自然な境界を形成していました。町内を流れる大同川は、安土[[町]]との境界付近に広がる大中の湖および小中の湖（弁天内湖と伊庭内湖）の干拓地を潤し、肥沃な農地を育んでいました。干拓後も残された伊庭内湖は、広大な葦原を有し、多様な野鳥や魚類の生息地として重要な役割を果たしています。町の南部には繖山がそびえ立ち、東近江市（旧五個荘[[町]]）や安土[[町]]との境界をなしています。

歴史

地名の由来

「能登川」という地名は、元々町南西部に位置する大字名であり、伊庭村の一小字に過ぎませんでした。現在では「能登川」という名の河川は存在しませんが、古地図などから、町内を流れる瓜生川の古名が能登川であったと考えられています。

明治時代に伊庭村から分立した能登川村は、長浜・大津間の蒸気船寄港地として賑わい、東海道本線の停車場候補地にも選ばれました。最終的に駅は能登川村からやや離れた場所に設置されましたが、駅名には「能登川」が採用され、駅周辺の発展と共にその名が広く知られるようになりました。1942年の新町発足時に「能登川」が町名として採用され、行政名と駅名が一致することになりました。

沿革

1942年（昭和17年）：伊庭村、栗見村、五峰村、能登川村、八幡村が合併し、能登川町が発足。
1984年（昭和59年）：北海道江差[[町]]と姉妹提携を締結。
2006年（平成18年）：蒲生町と共に東近江市に編入され、能登川町は廃止。

行政

能登川町は、合併により東近江市の一部となりました。

姉妹都市

能登川町は、国内外の都市と姉妹都市提携を結んでいました。

国内：福岡県篠栗町、北海道江差[[町]]
国外：カナダ アルバータ州テーバー

教育

町内には、小学校、中学校、高等学校が設置されていました。

小学校：能登川北小学校、能登川東小学校、能登川南小学校、能登川西小学校
中学校：能登川中学校
高等学校：滋賀県立能登川高等学校

経済

能登川町には、日本電気硝子や三井住友建設の工場が立地していました。

交通

鉄道：JR西日本琵琶湖線能登川駅
道路：滋賀県道2号大津能登川長浜線、滋賀県道25号彦根近江八幡線など

名所・旧跡・観光スポット

能登川水車とカヌーランド：伊庭内湖に作られたレジャー施設。
神郷亀塚古墳：日本最古級の前方後方墳。
北向岩屋十一面観音：繖山山頂の岩屋に安置された観音像。
繖三峰神社：伊庭の坂下し祭（県選択無形民俗文化財）が開催される神社。

能登川町は、その豊かな自然と歴史、そして人々の営みが織りなす魅力的な地域でした。現在も東近江市の一部として、その文化と伝統は受け継がれています。

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