安田幹男

安田 幹男（やすだ みきお）

大阪府東大阪市出身の日本の元プロボクサー。1982年11月5日生まれ。現役時代は六島ボクシングジムに所属し、第64代日本バンタム級チャンピオンに輝いた。

キャリア初期と一度目の引退

ボクシングとの出会いは15歳。不動産業を営んでいた熱心なボクシングファンだった父親の勧めを受け、この道を志す。プロとしての第一歩を踏み出したのは2000年5月17日、エディタウンゼントジム所属としてリングに上がった。キャリア2戦目となる同年7月28日には、1ラウンドでのノックアウトによりプロ初勝利を飾る。順調にキャリアを重ねていたが、2003年2月16日、自身初の8回戦に挑んだ試合で日高良市に判定で敗れると、一度グローブを置き、現役を引退する決断を下す。リングを離れた後は、富山市で新たな生活を始め、一般企業への就職を経て結婚も経験した。

復帰と日本王座獲得

ボクシングへの情熱は消えることはなかった。2005年、六島ボクシングジムからの誘いを受け、プロボクサーとしての復帰を決意する。同年4月9日に行われた復帰第一戦では、3ラウンドTKO勝利を収め、ブランクを感じさせないパフォーマンスを見せた。復帰後も着実に勝利を積み重ね、特に2009年9月30日には、大阪府立体育会館で開催された世界タイトルマッチの前座という大舞台で、元WBC世界フライ級王者のメッグン・シンスラットと対戦。この強敵を相手に2ラウンドTKO勝ちを収め、存在感を強く示した。

そして、ボクサーとして最大の目標の一つであった日本タイトルへの挑戦権を得る。2010年3月7日、前王者の返上により空位となっていた日本バンタム級王座を懸け、児玉卓郎との王座決定戦に臨む。敵地名古屋での一戦となったが、試合は2ラウンドTKOという鮮やかな決着となり、安田氏が見事、第64代日本バンタム級王者に就いた。

王座陥落とその後

待望の日本タイトルを獲得したが、その防衛は叶わなかった。2010年6月20日に行われた初防衛戦の相手は、後にWBC世界バンタム級王者となる山中慎介だった。この難敵に対し、安田氏は善戦するも7ラウンドTKO負けを喫し、王座から陥落した。

タイトルを失った後も、安田氏はリングに上がり続けた。2010年11月10日には大阪府の住吉区民センターでラファエル・パンガリブアンと対戦し、1ラウンド1分32秒という速攻でのKO勝利を収める。続く2011年5月28日にも、同じ住吉区民センターでマノブノイ・シンマナサックと対戦し、こちらも2ラウンドTKO勝利を収めるなど、依然として高い決定力を見せつけた。

しかし、これらの試合を最後に現役を引退することを決断。プロボクサーとしてのキャリアに終止符を打った。引退後のセカンドキャリアとして、自らの手で焼き鳥店を開業し、実業家として新たな道を歩み始めている。

戦績

プロキャリア通算25戦。
18勝（うち15KO）
5敗
2分

獲得タイトル

第64代日本バンタム級王座（防衛0）

安田幹男氏の波乱に富んだボクシング人生は、一度引退を経てもなお頂点を極め、そして新たな分野での挑戦へと続く、まさにドラマチックな軌跡と言えるだろう。

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