安田栗之助

安田栗之助：福岡を代表するローカルタレントの軌跡

安田栗之助（やすだ　くり のすけ）さんは、1953年7月9日生まれ、山口県下関市出身のローカルタレントです。福岡県を拠点に、九州・山口地方で長年にわたり活躍されています。本名は安田誠（やすだ まこと）さん。愛称は「栗ちゃん」として親しまれています。

甘栗屋とレポーターの意外な出会い

「栗之助」という芸名は、甘栗屋の息子であったことに由来します。1979年、日本テレビ系列の朝の情報番組『ズームイン!!朝!』の福岡放送担当レポーターとしてデビュー。華々しいデビューの年に、移動たこ焼き店のマイクロバスのドアノブに触れて感電するという、今では伝説となっているハプニングに見舞われました。幸いにも大事には至らず、すぐに中継に復帰したそうです。このエピソードは、彼の芸能人生における数々の逸話の中でも特に有名なものとなっています。

多彩な才能と活動

『ズームイン!!朝!』を降板後は、ローカルタレントとして活動を続け、30歳で結婚。個人事務所「博多おもしろくらぶ」を設立しました。カーレース国際A級ライセンスやアマチュア無線免許を持つなど、多様な才能の持ち主でもあります。3人の息子さんの父親でもあり、長男は俳優の安田桃太郎さん、次男は元アメリカンフットボール選手で現在はプロボクサー（リングネーム：キンノスケザファイタ）の安田錦之助さんです。

釣り番組から生まれた「栗之助＝釣り」のイメージ

1990年代には、九州朝日放送で放送された釣り番組『栗之助の釣りランド』が人気を博しました。従来の玄人向けの釣り番組とは異なり、釣り人の個性や人間性を前面に出し、釣った魚を使ったアウトドアクッキングや、釣り場周辺の宿泊施設紹介など、エンターテイメント性の高い内容が視聴者から高く評価されました。この番組がきっかけで、「栗之助＝釣り」というイメージが定着しました。番組終了後も、同じコンセプトの番組『我ら釣キング』（福岡放送）に出演するなど、釣りへの情熱は現在も続いています。

『めんたいワイド』の人気コーナー「突撃!隣の晩ごはん」

福岡放送の夕方ワイド番組『めんたいワイド』で放送された人気コーナー「突撃!隣の晩ごはん」も彼の代表的な仕事の一つです。ヨネスケさんのスタイルを踏襲しつつも、生中継というスタイルで、福岡放送エリア内の一般家庭を突撃訪問し、食卓を共にしました。台本のないアドリブ中心の進行は、出演者やスタッフを常にハラハラドキドキさせ、視聴者にも大きなインパクトを与えました。時には、事前に番組を知った視聴者から居留守を使うなど、予測不能な展開も少なくありませんでした。このコーナーは、「栗之助の町内探検隊」、「栗ちゃんの夫婦バンザイ」と進化を遂げ、現在も続く人気コーナーに発展していきました。

幅広い出演番組とCM

これまでに数多くの番組に出演。ラジオ番組『栗之助のまずはラジオでおつかれさん』、『栗之助の縦横無尽』（いずれもKBCラジオ）、『ナイトシャッフル』（福岡放送）など、多様なジャンルの番組で活躍しています。CM出演も多数あり、ハウス食品「たまらんちゃん」、アサヒビール「博多蔵出し生ビール」、SONY、サントリーなど、幅広い企業のCMに出演しています。

音楽活動

歌手としても活動し、「恋のトッチャン坊や'63」「磯釣り音頭」「九州ふれあいめぐり愛」などをリリースしています。いずれも現在では入手困難なレアアイテムとなっています。

多くの後輩に影響を与え続ける存在

後輩ローカルタレントである中島浩二さんや博多華丸・大吉さんらにも影響を与え、時折ものまねされるなど、福岡のローカルタレント界において、その存在感は揺るぎないものです。今井雄太郎さんなど、同じ福岡のローカルタレント、釣り好きタレントと比較されることもありますが、その釣り技術は高いと評価されています。

安田栗之助さんは、その独特の人柄と幅広い才能で、長年にわたり福岡のエンターテイメントシーンを盛り上げ続けている、まさに福岡を代表するローカルタレントと言えるでしょう。

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