安田橋

新潟県を繋ぐ安田橋：阿賀野川に架かる橋の物語

安田橋は、新潟県五泉市と阿賀野市を結び、阿賀野川を跨ぐ主要な橋梁です。現在の橋は4代目にあたり、全長901メートルを誇る桁橋として、新潟県道41号白根安田線の一部を担っています。

概要

安田橋の設計において特筆すべきは、その径間割です。架設地点における計画高水流量は毎秒13,000立方メートルにも達するため、本来であれば径間長は70メートル以上が必要とされます。しかし、河川管理施設等構造令の特例を適用し、低水路部を75メートルと100メートル、高水路部を61.5メートルと57メートルに設定することで、河積阻害率を低減し、同時に施工が困難な低水路部の橋脚を減らすことで工費の削減を実現しました。

また、架設地点は「安田だし」と呼ばれる強風地帯であるため、歩行者や自転車の通行の安全を確保するために、上流側には高欄を利用した防風フェンスが設置されています。

安田橋の歩道部には、五泉市の花であるチューリップと安田町の花であるツツジをデザインした安田瓦のブロックが敷き詰められています。さらに、下流側の高欄には阿賀野川に生息するアユを象ったパネルが設置され、親柱には安田産のさくら御影石を使用。安田側には鬼瓦をデザインしたモニュメント、五泉側にはチューリップと牡丹を彫ったモニュメントが設置されています。

構造

現在の安田橋は、PC2径間連続等断面箱桁橋、6径間連続変断面箱桁橋、4径間連続等断面箱桁橋という形式を採用しています。

橋格: 1等橋 (TL-20)
道路規格: 第3種第2級
橋長: 901.000 m
支間割: (2×61.500 m) + (75.000 m + 4×100.000 m + 75.000 m) + (4×57.000 m)
幅員:
総幅員: 12.000 m
有効幅員: 11.000 m
車道: 8.500 m
歩道: 2.500 m
橋台: 逆T式橋台（場所打ちコンクリート杭基礎）
橋脚: 壁式橋脚（場所打ちコンクリート杭基礎、P1, P2, P8 - P11 ）、円柱式橋脚（井筒基礎、P3 - P7 ）
架設工法: カンチレバー工法（低水路部）、ステージング工法（高水路部）

歴史

安田橋の歴史は、1915年（大正4年）に架けられた木造方丈橋の初代安田橋に遡ります。その後、1928年（昭和3年）には橋長218.4メートル、幅員3.5メートルの木造板橋に改築されましたが、1944年（昭和19年）に流失してしまいます。

1949年（昭和24年）には幅員4メートルの木橋として2代目の安田橋が完成しますが、これも1956年（昭和31年）7月に一部が流失してしまいます。

その後、災害復旧工事と橋梁掛替工事を合わせて1958年（昭和33年）に着工、1964年（昭和39年）8月20日に永久橋として3代目の安田橋が供用されました。

しかし、度重なる洪水による澪筋の変化や河床の洗堀により、橋脚基礎の洗堀が深刻化。また、大型車の交通量の増加により橋面や支承が損傷し、交通渋滞や歩行者・自転車の通行が困難になりました。さらに、安田インターチェンジへのアクセス路となることや、安田工業団地の新設による交通量の増加が見込まれたため、架け替えが決定。1986年度（昭和61年度）に建設省補助事業として新潟県を事業主体とする架替事業が事業化され、1995年（平成7年）に現在の4代目安田橋が完成しました。

3代目安田橋の概要

形式 - 3径間ポストテンションPC単純桁橋+鋼下路単径間単純プラットトラス橋+20径間ポストテンションPC単純桁橋
橋格 - 1等橋 (TL-20)
橋長 - 894.500 m
径間割 - 3×35.800 m + 70.000 m + 16×35.800 m
最大支間長 - 69.000 m
幅員
総幅員 - 6.600 m
有効幅員 - 6.000 m
車道 - 6.000 m
歩道 - なし
総鋼重 - 155.933 t（鋼橋部のみ）
橋脚・橋台 - 鉄筋コンクリート
基礎 - 井筒基礎（橋脚）・杭打堀込基礎
施工 - 櫻田機械工業・ピーエスコンクリート・オリエンタルコンクリート（上部工）・加賀田組（下部工）


安田橋は、単なる交通インフラとしてだけでなく、地域の歴史や文化を反映したランドマークとして、今日も人々の生活を支え続けています。

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