安立町停留場

安立町停留場

安立町停留場（あんりゅうまちていりゅうじょう）は、大阪府大阪市住吉区に設けられた、阪堺電気軌道阪堺線に所属する停留場です。駅番号はHN14が割り当てられています。

歴史

当停留場の歴史は、1911年（明治44年）12月1日に、初代阪堺電気軌道の駅としてその営業を開始したことに遡ります。その後、複数回の経営統合や路線の譲渡により、運営する会社の所属が変動してきました。

まず、1915年（大正4年）6月21日には南海鉄道との合併を経て、同社の駅となりました。戦時中の企業統合の流れを受け、1944年（昭和19年）6月1日には近畿日本鉄道の一部となりました。しかし、戦後間もない1947年（昭和22年）6月1日には再び路線の譲渡が行われ、南海電気鉄道の駅として運営されることになります。そして、1980年（昭和55年）12月1日、路線の移管に伴い、現在の阪堺電気軌道の停留場として今日に至っています。

停留場構造

安立町停留場は、車両が専用の軌道を通る新設軌道上に位置する地上駅です。ホームの配置には特徴があり、上下線それぞれに1面ずつ単式のホームが設けられています。これらのホームは、停留場の位置する踏切を挟んで、線路の斜め向かい側、すなわち千鳥式と呼ばれる配置形態をとっています。ホームは路面電車の乗降に適した低床構造となっており、旅客が雨天時などでも利用しやすいように上屋が設置されています。

停留場周辺

停留場が位置する軌道の西側は、大阪市住吉区と住之江区との境界線となっています。周辺には、最寄りの鉄道駅の一つとして機能する南海電気鉄道南海本線の住ノ江駅があり、乗り換え拠点となっています。また、公共サービスを提供する住之江安立郵便局や、地域名である安立（あんりゅう）、清水丘（しみずがおか）といった地名が近隣に見られます。

特に目を引く周辺施設として、真生印刷独身寮として利用されている集合住宅があります。この建物は停留場の西側に面しており、2001年3月に竣工しました。設計は日建設計、施工は竹中工務店という著名な企業が手掛けています。建築デザインにはコンクリート打ち放しが基調として用いられていますが、素材の持つ威圧感を和らげた、洗練された印象を与えています。建物の特徴として、高さを5階、4階、3階と段階的に低くしていく構造や、日本の伝統的な町家を思わせる木製の格子をアクセントとして配している点が挙げられます。これらのデザイン的な工夫や地域景観への配慮などが評価され、第23回大阪都市景観建築賞において奨励賞を受賞しています。

かつては、大阪市営バス（現在の大阪シティバス）が運行する「赤バス」の住之江ループが、当停留場近くの安立第一福祉会館停留所に停車していましたが、この路線は2013年3月31日をもって運行を終了し、廃止されています。

隣の停留場

阪堺電気軌道 阪堺線における、当停留場の前後の駅は以下の通りです。

* 細井川停留場 (HN13) ← 安立町停留場 (HN14) → 我孫子道停留場 (HN15)

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