安芸乃島勝巳

安芸乃島 勝巳（あきのしま かつみ）

安芸乃島勝巳（本名：宮本勝巳）は、1967年3月16日生まれの元大相撲力士で、広島県豊田郡安芸津町（現・東広島市）出身です。彼は二子山部屋に所属し、最高位は東関脇であり、数多くの記録を持つ名力士です。愛称は「アキちゃん」で、趣味に日本刀鑑賞があります。現在は年寄・高田川として後進の指導にあたっています。

来歴

少年時代

安芸乃島は幼少期から厳格な家庭に育ち、中学校に進学するまで柔道をしていました。その後、相撲に魅せられ、大関・貴ノ花に勧誘されたことから藤島部屋に入門。本人は柔道を続けると思っていた母は涙し、父は強い言葉をかけましたが、安芸乃島は力士になる決意を固めていました。

大相撲入門後

入門後、彼は厳しい稽古に励みました。入門時の体重は128kgでしたが、過酷な練習により、2ヶ月で約30kgも体重が減少しました。彼のスタミナと努力は当時の先輩たちにも認められたほどで、1987年には十両に昇進し、1988年には新入幕を果たしました。入幕後は上位キラーとして知られ、金星獲得数は歴代最多の16個を誇ります。

相撲スタイルと成績

安芸乃島の強みは左四つを得意とする力相撲で、密着した状況でしか発揮できない力を持っていました。彼は対戦した横綱全てから金星を獲得し、特に旭富士に対しては良好な成績を収めています。逆に速攻相撲を得意とする力士には取りこぼすこともありましたが、横綱昇進を阻止した「小錦キラー」としても知られています。彼のキャリアでは三賞を19回受賞し、金星も16個とその成績は素晴らしいものでした。

引退後

2003年に引退し、年寄・藤島を襲名しましたが、貴乃花との確執から高田川部屋に移籍。その後、部屋の風土を一新し、若手力士の指導に力を入れるようになります。具体的には、激しい稽古を通じて相手を敬う力士を育てる方針を掲げていました。安芸乃島は部屋の運営にも積極的に関与し、2020年には理事としても活動するようになりました。

家族とエピソード

1994年に競泳選手の夫人と結婚し、2人の子供をもうけました。父親は厳格な漁師であり、安芸乃島の幼少期の経験が彼の強さに影響を与えました。安芸乃島は「命を懸けて」相撲に取り組んだ姿勢を持ち、現役時代からそのさまざまな記録を大切に思っていました。

性格と人間性

安芸乃島は時に厳しい一面を見せる一方で、非常に明るい性格でもありました。現役時代は口数が少なかったものの、引退後はテレビ解説者としてその面を披露し、辛口で知られる解説を行い続けています。性格面では、学生相撲出身者にとっては厳しい姿勢で知られ、彼のもとで過ごすことが多くの力士にとって大きな洗礼となりました。

結論

安芸乃島勝巳は、数々の記録を残した偉大な力士であり、引退後も後進の指導に力を入れる親方として、相撲界に貢献し続けています。彼の厳しさと優しさを併せ持った人間性は、多くの弟子たちに良い影響を与えていることでしょう。

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