安藤楢六

安藤 楢六（あんどう ならろく）

安藤楢六は、1900年9月14日に旧大分県別府市で生まれました。彼は日本の実業家として知られ、小田急電鉄の初代社長を務め、同社の名誉会長でもありました。彼の業績は、観光業の発展に大きく寄与し、企業の成長を支えました。

生い立ちと教育

安藤は、大分の名士である父、安藤黄楊三の六男として誕生しましたが、母の死去により早くから里子に出されます。小学校と中学校を経て、旧制第七高等学校を卒業後、東京帝国大学に進学し、独法を専攻しました。しかし、卒業を前に高等文官試験に失敗し、実家との関係も悪化しました。

小田原急行鉄道への入社

大学卒業後、安藤は実業家の利光鶴松の助言によって1925年に小田原急行鉄道に入社します。彼は総務課で経験を積んだ後、用地買収業務に従事し、徐々に重要な役割を果たすようになります。

東京急行電鉄時代

1942年、小田急は東京横浜電鉄や京浜電気鉄道と合併し、東京急行電鉄が発足しました。安藤はそこで人事部長や総務部長を務めることになります。1946年、安藤は大東急の取締役となり、その後も副社長として会社の運営に貢献しました。彼の手腕により、1948年に小田急電鉄が設立され、初代社長に就任します。

社長としての業績

社長として安藤は、箱根や江ノ島の観光開発に積極的に取り組みました。また、箱根での競争相手、伊豆箱根鉄道との対立もあり、その様子は箱根山戦争として知られています。安藤はまた、労使協議会を発足させ、労使関係の改善にも尽力しました。

その後の人生

1969年、彼は社長職を退き、名誉会長として小田急グループに貢献を続けました。1984年1月11日、安藤は83歳で他界しました。彼の功績は多くの面で評価され続け、同年7月には小田急財団が設立され、彼の遺族の寄付によって安藤の名を冠した奨学財団も創立されました。

家族

安藤は、実業家の井上敬次郎の娘との結婚を経て、後に渡辺若子と再婚します。長男の安藤信正も小田急百貨店の役員として活躍しています。

安藤楢六は、日本の実業界において重要な役割を果たし、小田急電鉄や観光業の発展に貢献しました。彼の影響は今もなお多くの人々に受け継がれています。

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