安藤高行

安藤高行（あんどう たかゆき）は、1941年4月28日生まれの日本の法学者であり、憲法を専門としています。宮崎県日南市出身で、九州大学名誉教授、佐賀大学名誉教授の称号を持ちます。また、九州国際大学法学部及び大学院法学研究科教授を経て、現在は客員教授を務めています。

学歴・職歴

1965年に九州大学法学部を卒業後、1967年に同大学大学院法学研究科修士課程を修了しました。その後、1971年に佐賀大学経済学部助教授に就任し、1983年に同大学教授に昇任しました。1996年には九州大学法学部教授となり、2004年からは九州国際大学法学部教授を務めました。2011年には九州国際大学法学部客員教授に就任しています。

研究分野

安藤高行の研究分野は多岐にわたりますが、特に以下の分野で重要な業績を挙げています。

17世紀イギリス憲法思想史: 初期近代イギリスの憲法思想の変遷を詳細に分析し、その現代的意義を考察しています。
議員免責特権: 国会議員の免責特権の歴史的背景と法的根拠を研究し、その現代的解釈のあり方を検討しています。
情報公開・個人情報保護: 情報公開制度と個人情報保護制度の関係を分析し、両者のバランスをどのように図るべきかを考察しています。
ポストノーティス命令と良心の自由: ポストノーティス命令が個人の良心の自由にいかなる影響を与えるかを分析し、その法的制限のあり方を検討しています。
判例による基本的人権の保障の研究: 判例を通じて、基本的人権がどのように保障されているかを研究しています。
オンブズマンによる国民保護の仕組及びその制度の研究: オンブズマン制度が国民保護にいかなる役割を果たすかを研究しています。

著書

安藤高行は、上記の研究分野に関する多くの著書を執筆しており、主な著書として以下が挙げられます。

『近代イギリス憲法思想史研究 ベーコンからロックヘ－』（お茶の水書房, 1983年）
『一七世紀イギリス憲法思想史』（法律文化社, 1993年）
『情報公開・地方オンブズマンの研究』（法律文化社, 1994年）
『憲法の現代的諸問題　－情報公開・地方オンブズマン・議員免責特権・良心の自由－』（法律文化社, 1997年）
『基本的人権(総論・精神的自由権)』（法律文化社, 2002年）
『わがロンドン』（海鳥社, 2003年）
『基本的人権(総論・精神的自由権・経済的自由権)〔改訂増補版〕』（法律文化社, 2005年）
『現代の行政活動と市民 ― 情報公開・地方オンブズマン・センサス法の研究』（法律文化社, 2007年）
『人権判例の新展開』（法律文化社,　2010年）
『憲法新教科書』手島孝（監修）　安藤高行（編集）（法律文化社,　2007年）

所属学会・外部役員

日本公法学会に所属し、佐賀県労働委員会会長を務めるなど、学会活動や社会活動にも積極的に貢献しています。

受賞歴

2011年には、長年の教育・研究活動が評価され、瑞宝中綬章を受章しました。

安藤高行は、長年にわたり憲法学の研究・教育に尽力し、多くの後進を育成しました。その研究業績は、日本の憲法学の発展に大きく貢献しています。

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