安西水丸

安西水丸(本名: 渡辺昇)は、[1942年]]7月22日生まれ、2014年3月19日没の日本のイラストレーター、漫画家、エッセイスト、作家、絵本作家である。7人兄弟の末っ子として東京で生まれ育ち、幼少期に喘息を患い、千葉県[[千倉町]に移住。この千倉での生活は、後の作品に大きな影響を与え、多くの作品にその風景や思い出が描かれている。

1961年、日本大学豊山高等学校を卒業後、日本大学藝術学部美術学科造形コースに進学。卒業後は電通にアートディレクターとして就職するが、1969年に退社し渡米。ニューヨークのデザインスタジオに勤務した後、1971年に帰国した。

帰国後、平凡社のADとして活躍する中で、雑誌『太陽』の編集者であった嵐山光三郎と出会い、イラストレーターへの転向を促される。ペンネームの「安西」は祖母の苗字から、「水丸」は幼少期からの好きな漢字「水」から名付けられた。

嵐山光三郎の紹介により、漫画雑誌『ガロ』などで漫画作品を発表する傍ら、イラストレーターとして活動を開始。1979年には、ペーター佐藤、原田治、新谷雅弘らと共に「パレットクラブ」を設立。パレットクラブから派生したイラストレーションスクール「パレットクラブ・スクール」では講師も務めた。

1981年には「安西水丸事務所」を設立し、本格的にフリーのイラストレーターとして活動を開始。その後、日本芸術大学で講師を務めた時期もある(1991年～2003年)。1987年にはエッセイ集『青インクの東京地図』を刊行し、以後、エッセイや小説も発表するようになる。小説作品には『メランコリー・ララバイ』『バードの妹』『アマリリス』などがある。

イラストレーターとしての活動と並行して、安西水丸はスノードームのコレクターとしても有名であり、「日本スノードーム協会」の会長を務めた。このコレクションは書籍にもまとめられている。また、ブルーウィローの絵柄の陶器のコレクションも有名である。

著名な作家村上春樹とは、彼がジャズ喫茶を経営していた時代からの親交があり、数多くの共著を発表している。例えば『象工場のハッピーエンド』『村上朝日堂』『ランゲルハンス島の午後』『夜のくもざる』などがあり、村上春樹の小説にたびたび登場する「渡辺昇」あるいは「ワタナベノボル」は、安西水丸の本名に由来する。

2005年には東京イラストレーターズ・ソサエティ理事長に就任。2013年には個展を開催するなど、精力的に活動を続けた。2014年3月17日、鎌倉市にて執筆中に倒れ、脳出血のため71歳で逝去した。死後も、彼の作品は多くの人々に愛され続けている。彼の作品には、独特のユーモラスなタッチと、ノスタルジックな雰囲気、そして温かい人情が溢れ、多くの読者やファンを魅了し続けている。その多様な才能と表現方法は、後のイラストレーション界に多大な影響を与えたことは疑いがない。彼の作品集や回顧録は、現在も多くの愛読者によって読み継がれ、その温かさとユーモアは時代を超えて人々の心に響き渡り続けている。

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