安部理

安部 理: 元プロ野球選手の軌跡

概要

安部理（あべ おさむ）は、1962年12月19日生まれ、宮城県白石市に生まれた元プロ野球選手で、外野手や一塁手として活躍しました。彼のプロ野球キャリアは多岐にわたりますが、特に西武ライオンズや近鉄バファローズでの活躍が際立っています。

プロ入り前の経歴

安部は岩手県の大船渡市立第一中学校を卒業後、東北高等学校に進学しました。高校時代はエースの中条善伸とともに甲子園に4回出場し、「東北の掛布」と呼ばれるほどの強打者として名を馳せました。特に1980年の選抜大会では、初戦で松江商を破り、2回戦でも習志野高を完封しましたが、進出のチャンスにはなかなか恵まれませんでした。この実績を背景に、1980年度のドラフトで西武ライオンズから4位指名を受けて入団します。

西武ライオンズでの活躍

プロ入り当初は二軍で過ごしたものの、1983年にはアメリカのマイナーリーグに留学し、そこでの経験が彼の成長に寄与しました。1987年には一軍に定着し、同年の日本シリーズでは全6試合に出場。特に満塁本塁打を含む活躍でチームの優勝に貢献しました。1988年には開幕から5番打者として起用され、チャンスで強い打撃を見せ、全国的な注目を集めます。しかし、1989年には他の選手の台頭により出場機会が減り、1992年に復活。1994年のシーズンには打率.348を記録し、チームの重要な一員として活躍しましたが、1996年には戦力外通告を受けて引退を余儀なくされました。

近鉄バファローズへの移籍と引退

西武から戦力外となった後、1996年に近鉄バファローズに移籍。彼はここでも主に一塁手や代打として力を発揮し、1997年には打率.301を記録するなど復活を遂げました。2000年には現役を引退し、その最後の試合は古巣・西武との対戦でした。試合終了後にはナインに胴上げされ、そのシーンは多くのプロ野球ファンに感動を与えました。

引退後の活動

引退後は、プロ野球マスターズリーグの東京ドリームスに所属し、2005年からは楽天ゴールデンイーグルスのジュニアコーチとして活動を開始しました。小学校を回る訪問活動や、少年野球塾の講師として選手育成に尽力しました。また、楽天の一軍打撃コーチ補佐を務めたものの、成績に悩む時期も多かったです。2012年からは西武の一軍打撃コーチをつとめ、2014年に韓国の高陽ワンダーズのコーチを駅任され、2015年以降はハンファ・イーグルスで二軍の打撃コーチを歴任しました。2017年からは高千穂大学硬式野球部の監督として新たな道を歩んでいます。

彼の人柄

現役時代の愛称は「エビイ」で、彼の名前のローマ字表記が由来です。また、野球留学中には英語名の「サム」という名前が付けられ、このような親しみやすさがファンとの絆を深めました。

安部理はプロ野球界に多くの功績を残した選手であり、引退後もその経験を生かして次世代の選手育成に貢献し続けています。

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