安里交差点

安里交差点

沖縄県那覇市安里にある安里交差点は、「安里十字路」や「安里インターチェンジ」とも呼ばれる、県内でも特に交通量の多い交差点です。1日あたり約10万台の車両が通行し、沖縄県の交通において重要な役割を果たしています。

沿革

もともと安里交差点は、沖縄県道29号那覇北中城線と国道330号のひめゆり通りが交わる三叉路でした。しかし、1970年に国道330号バイパス（当交差点～古島IC間）が開通したことで現在の十字路となり、ひめゆり通りとバイパスとの間に立体高架橋が設置され、立体交差となりました。

1972年には歩道橋も設置され、これは撤去されるまで1日に平均3500人ほどが利用していました。しかし、高架橋は2車線（片側1車線）しかなく、1975年にバイパスが宜野湾市嘉数まで全線開通すると、国道の交通量が急増し、慢性的な渋滞が発生するようになりました。特に、国道南行きの交通渋滞が深刻でした。

交差点改修事業

慢性的な交通渋滞を解消するため、1995年から大規模な交差点改修事業が開始されました。この事業では、沖縄都市モノレール計画に合わせて立体高架橋を架け替えることになり、2002年に現在の「安里高架橋」が完成しました。全長220メートルのこの高架橋は、2003年4月3日に全面開通しました。

高架橋の設置には16億円の費用がかかり、交差点改修事業全体の総事業費は207億円にのぼりました。この事業と並行して、2002年にはこれまで使われてきた歩道橋が撤去されました。

また、1995年から交差点に横断地下歩道を設置する計画もありました。この地下歩道はエレベーターや広場なども備えた、県内初の横断地下歩道となる予定でした。しかし、防犯上の問題を懸念する住民や、当時県議会議員だった糸数慶子氏らによる建設反対運動が起こり、さらに高架橋の拡幅によって渋滞が緩和されたこともあり、地下歩道の建設は実現しませんでした。

安里交差点の改修事業は、長年の交通渋滞を解消するための重要な取り組みでした。現在の安里高架橋は、多くの車両がスムーズに通行できるように交通の流れを円滑化し、地域の交通利便性の向上に大きく貢献しています。

脚注

* 沖縄県土木建築部道路建設課安里交差点建設事務所「美ら道・美ら街に向けた一般国道330号安里交差点改修事業」（公共用地補償機構編『用地ジャーナル』8巻7号、1999年10月）

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