安順府

安順府（あんじゅんふ）

安順府は、中国の歴史において、明代から民国初年にかけて、現在の貴州省安順市と六盤水市にまたがる地域に設置されていた行政区画です。この地域は、時代とともにその行政区分や名称が変化してきました。

明代：安順軍民府の成立

1602年（明の万暦30年）、安順州が安順軍民府へと昇格しました。この時、安順軍民府は貴州省に属し、以下の行政区画を管轄していました。

直轄
寧谷寨長官司
西堡長官司
鎮寧州管轄
十二営長官司
康佐長官司
永寧州管轄
慕役長官司
頂営長官司

加えて、普安州も安順軍民府の管轄下に置かれました。これにより、安順軍民府は合計3州6長官司を統括する広大な地域を管轄するようになりました。

清代：安順府への改称と行政区画の再編

1687年（清の康熙26年）、安順軍民府は安順府へと改称されました。この際、管轄する行政区画にも変更がありました。安順府は貴州省に属し、以下の行政区画を管轄しました。

普定県
清鎮県
安平県
鎮寧州
永寧州
郎岱庁
帰化庁

この時点で、安順府は2庁2州3県を管轄する体制となり、明代の軍民府時代から行政区画が整理・再編されたことがわかります。

民国時代：安順府の廃止

1913年、中華民国が成立すると、安順府は廃止されました。これにより、安順府は歴史の中に幕を閉じ、その行政区画は新たな体制へと移行しました。

安順府の歴史的意義

安順府は、明代から清代、そして民国初年にかけて、貴州省の重要な地域を管轄した行政区画でした。その変遷を通じて、中国の地方行政制度の変化や、この地域の歴史的な変遷を知ることができます。特に、明代の安順軍民府から清代の安順府への移行は、中央政府の地方統治政策の変化を反映していると考えられます。

安順府は短期間で廃止されましたが、この地域における政治、経済、社会に大きな影響を与えました。この地域の歴史を語る上で、安順府の存在は欠かせない要素となっています。

安順府の歴史は、中国の地方行政制度や貴州省の歴史を研究する上で重要な資料となります。この地域の歴史的背景を理解することで、現在の安順市や六盤水市の発展をより深く理解することができるでしょう。

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