安養寺 (松本市)

安養寺について

安養寺は、長野県松本市波田三溝に位置する浄土真宗本願寺派の寺院です。古くは梓寺と呼ばれ、現在の地よりやや離れた場所にあったとされています。当初は真言宗の寺院であったとも伝えられていますが、親鸞聖人が信濃を巡錫された際にこの寺に滞在し、弟子の西念坊道祐を派遣して教化に当たられたことから、浄土真宗の道場として発展しました。

歴史

1753年から1761年にかけて、安養寺は河岸段丘の下段から現在の場所に移転しました。当時の境内面積は約1.6町。江戸時代初期には5つの寺中（じちゅう）を持っていましたが、この移転を機に、それまで散在していた寺中の5つの寺も境内に集められました。

1969年8月、本堂が火災により焼失しましたが、その後再建されました。かつて旧道に面していた山門は、現在では国道に面しています。

しだれ桜と天然記念物

安養寺には、樹齢500年と350年とされる2本の見事なしだれ桜があります。春には多くの観光客が訪れ、その美しい姿を鑑賞します。また、境内には三本杉と呼ばれる杉の木1本と高野槇1本があり、これらの木は2011年3月22日に松本市特別天然記念物に指定されました。

廃仏毀釈の危機を乗り越えて

明治時代の廃仏毀釈の際、松本藩では多くの寺院が焼打ちや取り壊しに遭いましたが、安養寺の住職・了照は、正行寺、極楽寺、宝栄寺などと協力し、寺の存続のために奔走しました。その結果、松本にあったすべての真宗寺院が廃寺の危機を免れることができました。

アクセス

安養寺へは、アルピコ交通上高地線三溝駅から徒歩4分です。国道158号線が南側を通っており、国道から駐車場へ入ることができます。また、北側は旧道に面しており、庫裏などの施設が旧道沿いに建てられています。

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参考文献

* 『探訪 信州の古寺 浄土教・日蓮宗』1996年 郷土出版社

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