宋文洲

宋文洲（そう ぶんしゅう）

宋文洲（Song Wen-Zhou、1963年6月25日 - ）は、中国山東省出身の実業家、経営コンサルタント、経済評論家であり、ソフトブレーン株式会社の創業者として知られています。

経歴

1963年、中国山東省栄成市に生まれ、1985年7月に中国東北大学工学部を卒業後、中国国費留学生として来日。1986年4月には北海道大学大学院に入学し、1990年3月に同大学院工学研究科博士課程を修了（資源工学専攻岩石力学講座）。1991年3月には「2点法によるトンネルライニングの応力測定法に関する研究」で博士号を取得しました。

大学院修了後、天安門事件を機に日本に留まることを決意。札幌市内の会社に就職するも、会社は3か月で倒産。失業を機に、大学時代に開発した土木解析ソフトの販売を開始。このソフトは、当時スーパーコンピューターで行われていた解析作業をパソコンで可能にする画期的なもので、ゼネコンや建設コンサルタントを中心に販売されました。この成功を基に、1992年6月、札幌市内でソフトブレーン社を設立。組織的な営業を支援するソフトの開発とコンサルティング業務を事業化し、独自の管理手法「プロセスマネジメント」に基づくソフトウェアを開発しました。

ソフトブレーンは、この営業支援ソフトで急速に成長し、2000年12月には東証マザーズに上場。宋氏は、成人後に来日した外国人として初めて上場を果たした人物となりました。その後、2004年6月に東証二部、2005年6月には東証一部へと市場変更。「創業者はいつまでも経営すべきではない」という信念のもと、一部上場後に代表権を社長に譲り、取締役会長に退きました。2006年8月31日には取締役も退任し、引退後は中国に帰国。現在は日本、アメリカ、中国の3ヶ国で活動し、2022年2月には日中国交正常化50周年を記念して設けられた在大阪中華人民共和国総領事館の広報アドバイザーに就任しました（2023年再任）。

発言

宋氏は、日中関係やビジネス、人材育成など幅広いテーマで積極的に発言しています。しかし、2013年2月17日に出演した日本テレビの番組「真相報道 バンキシャ!」での尖閣諸島に関する発言が物議を醸しました。隕石落下に関するニュースの中で、「尖閣に落ちて島がなくなれば、領土問題がなくなり、日中友好に戻れる」という趣旨の発言をし、後に番組内で謝罪が行われました。この件に対し、宋氏は自身のメルマガで発言の意図が歪曲されていると反論し、平和を願う発言を政治問題化し、謝罪を強要することは言論の自由を侵害するものだと主張しました。

また、2013年4月15日の環球時報のコラムでは、尖閣諸島の領有権問題について、「尖閣諸島は元々台湾に属しており、台湾が中国のものであるから尖閣も中国のものである」という論法を展開し、日本の領有権を否定する立場を明確にしました。さらに、国共内戦がなければ中国が沖縄と九州を占領する資格があったという見解も示しました。

歴史認識に関しては、日中戦争を美化したり、南京事件を否定する日本の政治家や公人に対し、中国への入国禁止や金融制裁を科す「侵略戦争支持罪」なる法律の制定を提案しています。

著作

宋氏は、ビジネスや人材育成に関する多数の著書を執筆しています。

『やっぱり変だよ日本の営業』（日経BP企画、日本経済新聞出版社、ダイヤモンド社）
『ニッポン型上司が会社を滅ぼす！』（サンマーク出版、文藝春秋）
『ダメな会社ほど社員をコキ使う』（徳間書店）
『もっと怒れ！日本のビジネスマン やっぱり変だよ日本の会社』（イースト・プレス）
『ここが変だよ 日本の管理職』（東洋経済新報社、祥伝社）

など多数。

テレビ出演

世直しバラエティー カンゴロンゴ（NHK総合テレビ）
爆笑問題のニッポンの教養（NHK総合テレビ）
仕事ハッケン伝（NHK総合テレビ）
真相報道 バンキシャ!（日本テレビ）
たかじんのそこまで言って委員会（読売テレビ）
朝まで生テレビ!（テレビ朝日）
日経スペシャル カンブリア宮殿 （テレビ東京）

など多数。

外部リンク

創業者 宋文洲 - ソフトブレーン株式会社
宋文洲 (@sohbunshu) - X（旧Twitter）

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