環球時報

環球時報

『環球時報』は中華人民共和国の官営メディアであり、特に海外ニュースを扱った内容で知られています。1993年1月に創刊され、最初の名称は『環球文萃』でしたが、1997年から現在の名称に変更されました。また、英語版の『Global Times』は2009年に発行が開始され、国内外で幅広く流通しています。

この新聞は特に民族主義的な視点を持つことで有名です。発行母体は中国共産党中央委員会が運営する『人民日報』であり、そのため報道内容は政府の方針と密接に関連しています。たとえ国際情勢を扱うにしても、その立場は往々にして中国政府によるものとなります。

記事の特徴

『環球時報』の記事は、海外の出来事を中国の視点で報じることが多く、同紙の編集方針にはしばしば強い民族主義的な色合いが反映されています。例えば、この記事は他国に対する批判や対外的な威嚇を含む内容が多く、特に日本や韓国に関連する内容では感情的な表現が散見されます。

実際の報道においても、時に誤報や問題のある報道に対する指摘がされることがあります。一例として、2013年には「女性死刑囚の死刑執行」のニュースが実際にはポルノビデオの一部であったとの指摘がなされたことがあります。また、2017年には、韓国のTHAAD（高高度ミサイル防衛システム）配備に対する社説が非常に過激な発言を含み、韓国側から批判を受ける場面もありました。

より最近の事例では、2022年の北京オリンピックにおいて韓国が中国に対する判定に反発した際、『環球時報』はその背景に韓国の劣等感があるとする主張を展開しました。

アメリカでの評判

アメリカ政府も『環球時報』を単なる報道機関とは見なしておらず、2020年にはこの新聞が中国共産党の影響下にあるプロパガンダ機関であると指摘しました。これにより、他の中国のメディアと共に「外国使節団」と認定されています。このように、『環球時報』は国際的な視点から見ても、中国政府の意向を色濃く反映したメディアとして扱われています。

結論

『環球時報』は中国の国内外政策を反映する重要なメディアではある一方で、その報道姿勢には問題視される部分も多いと言えます。特に他国に対する厳しい言及や、報道の正確性に疑問がある内容が見受けられるため、扱う情報の信憑性を常に考慮する必要があります。

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