宋時烈

宋時烈（そう じれつ）

宋時烈（1607年 - 1689年）は、李氏朝鮮時代の政治家であり著名な儒学者である。本貫は恩津宋氏であり、彼は字を「英甫」、号を「尤庵」、「華陽洞主」と称され、多くの人々から「宋子」とも尊称されている。

人物背景

宋時烈は現在の忠清北道沃川郡に生まれ、1633年に科挙に合格して官界に入り、仁祖王の子である鳳林大君の教師となる。その後、1636年から1637年にかけての丙子の乱において、彼は大義名分論を提唱し、清朝に対する北伐を支持した。この戦いの結果、彼の将来には大きな影響が及ばされた。仁祖王の子である昭顕世子は、乱に敗北したため清朝に人質として送られ、その後、親清であるとされたために毒殺される運命をたどる。その後、弟の鳳林大君が新しい世子となった。

1649年、鳳林大君が孝宗王として即位することで、宋時烈は政権内での存在感を高めていく。しかし、1668年の右議政、1673年の左議政に任命された後は、一時的に隠遁生活を送ることになる。その間も、彼の庵には多くの儒学者たちが訪れ、「山岳政治」や「山林宰相」としての実力を誇示した。

1689年、粛宗治下で南人派の提案に対し反対したため、彼は済州島に流されることになり、その途中で死去した。これにより、彼の生涯と政治的影響は一つの幕を閉じた。

思想と影響

宋時烈は、特に朱子学の原理主義者として知られ、清朝による明朝侵入に反対する意見を持ち続けた。彼は大義名分論をもって北伐を主張し、李滉の学説には否定的な立場を取った。これにより、自由な学問の展開を妨げるような影響を与えた。

1669年、彼は儒教の倫理を推進し、同姓による結婚を禁じるよう提言した。この運動は「同姓同本不娶」と呼ばれ、同姓であることに加えて同じ本貫同士の結婚が禁止される制度をもたらした。これにより、身分的な貴賤の結婚も避けられることになり、この制度は朝鮮王朝の存続期間中及びそれ以降も引き続き影響を及ぼした。さらに、この倫理は現代の大韓民国の民法規定にも見られ、1997年には憲法裁判所の決定により廃止されるまで続いた。

著作

宋時烈の著作には、『尤庵集』、『宋書拾遺』、『朱子大全箚疑』、『程書分類』、『宋子大全』、および『三学士伝』があり、彼の思想や学問に対する考えが反映されている。特に、肖像画『宋時烈像』（1778年ごろ製作）は韓国国立中央博物館に所蔵されており、大韓民国の国宝239号として指定されている。

まとめ

宋時烈は、さまざまな時代において政治的かつ文化的な影響を与えた重要な人物であり、彼の理念や制度は今なお語り継がれています。その影響は時代を超え、現代にまで続いているとも言えるでしょう。

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