宗川信夫

宗川信夫（むねかわ のぶお）は、1918年11月25日に山形県で生まれ、2005年12月17日に生涯を閉じた、日本の映画撮影監督です。

麻布獣医専門学校（現在の麻布大学）を卒業後、1939年に日活多摩川撮影所に入社し、撮影助手としてのキャリアをスタートさせました。1953年には、大映作品「落花の門」で撮影監督としてデビューを果たしました。

その後、大映で「しとやかな獣」、「白い巨塔」、「大怪獣ガメラ」など、数々の話題作やヒット作の撮影を担当しました。これらの作品は、彼の卓越した撮影技術によって、映像表現の豊かさを増し、観客を魅了しました。1972年からはフリーランスとして活動し、引き続き映画界で活躍しました。

宗川氏は、ジャーマンシェパード犬の愛好家としても知られていました。特に、愛犬であるシェーン・D・グランプリ号は、1957年の映画「名犬物語 吠えろシェーン」や、1959年のフジテレビ開局記念ドラマ「少年ジェット」に出演し、その名を知らしめました。

「少年ジェット」では、第一部・黒い影篇の5話から8話にかけて、監督と撮影を兼任するという異例の活躍を見せました。さらに、シェーンの直仔の一頭は、当時の皇太子（現在の上皇）の愛犬となり、「アナスタシア」と名付けられ、皇室で飼育されるという栄誉に浴しました。

主な撮影監督作品

劇場映画

落花の門（1954年）
十代の秘密（1954年）
こんな奥様見たことない（1954年）
浪曲天狗道場（1955年）
母笛子笛（1955年）
誘拐魔（1955年）
弾痕街（1955年）
豹の眼（1956年）
青竜の洞窟（1956年）
現金の寝ごと（1956年）
スタジオは大騒ぎ（1956年）
リンゴ村から（1956年）
名犬物語 吠えろシェーン（1957年）
愛すべき罪（1957年）
健太と黒帯先生（1957年）
がんばれ！健太（1957年）
恋を掏った女（1958年）
おーい中村くん（1958年）
恋と花火と消化弾（1958年）
襲われた手術室（1960年）
熱い砂（1960年）
犯行現場（1960年）
東京の空の下で（1960年）
薔薇と龍（1961年）
命みじかし恋せよ乙女（1961年）
性生活の知恵 第2部（1961年）
やっちゃ場の女（1962年）
真昼の罠（1962年）
瘋癲老人日記（1962年）
しとやかな獣（1962年）
黒の札束（1963年）
囁く死美人（1963年）
温泉巡査（1963年）
温泉女医（1964年）
芸者学校（1964年）
獣の戯れ（1964年）
続・高校三年生（1964年）
制服の狼（1964年）
幸せなら手をたたこう（1964年）
雲を呼ぶ講道館（1965年）
狸穴町0番地（1965年）
掏摸（すり）（1965年）
大怪獣ガメラ（1965年）
ザ・ガードマン 東京忍者部隊（1966年）
雁（1966年）
貴様と俺（1966年）
白い巨塔（1966年）
出獄の盃（1966年）
兵隊やくざ 俺にまかせろ（1967年）
妻二人（1967年）
女賭博師（1967年）
勝負犬（1967年）
あるセックス・ドクターの記録（1968年）

テレビドラマ

少年ジェット（1959年、フジテレビ/大映テレビ室製作）
流氷の女（1968年、TBS/大映テレビ室製作）
エプロン父さん（1968年、TBS/大映テレビ室製作）

宗川信夫は、その生涯を通して、数多くの映画作品に貢献し、日本の映画史にその名を刻みました。彼の才能と情熱は、後世の映画人にも大きな影響を与え続けています。

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