宗禅寺横穴墓群

宗禅寺横穴墓群について

宗禅寺横穴墓群（そうぜんじよこあなぼぐん）は、宮城県仙台市太白区根岸町にある重要な歴史的遺跡です。特に、7世紀後半から8世紀後半にかけての造営が行われ、広瀬川の右岸に位置しています。

位置と周辺の環境

この墓群は、広瀬川左岸に広がる丘陵と平地が交わる場所にあります。愛宕山や大年寺山といった他の横穴墓群とともに位置し、宗禅寺横穴墓群は特に大年寺山の尾根の先に存在しています。現在見ると、山の裾や広瀬川の河原との間には、川から約10メートルの高さを持つ段丘が広がっていますが、古代には尾根がもう少し広がっていたと考えられています。

墓群は、広瀬川に面した谷の傾斜を掘り込んで造営されたもので、各横穴は東西に並ぶ形で知られています。ただし、発見された横穴の数は15基であり、埋没した部分にはさらに未知の横穴が存在する可能性があります。

近くには、724年まで陸奥国の国府が存在していたとされる郡山遺跡や、古墳時代から続く集落の南小泉遺跡があり、これらの遺跡は横穴墓の利用に関わっていた人々の居住地の候補ともなっています。

横穴墓の構造

発掘により、番号が振られた横穴は、山に近いものから川に近いものへと並びます。具体的には、1号墳から15号墳まで確認されています。特に1953年に発見された15号墳は、他の横穴と同様に崖面に対して直角に掘られています。各横穴の奥には、方形や長方形、台形の玄室があり、多くは1.4メートルから2.75メートルのサイズです。さらに、アーチ状や屋根の形をした構造で覆われています。

入り口は狭く作られ、13号墳では特異な構造が見られ、他の墳と異なる特徴を持ちます。いくつかの横穴では、地面からの水の流入に対応するための排水溝が設けられており、内部には人骨が見つかっています。特に、5号墳や9号墳では、複数の人骨が確認され、骨の状態はさまざまです。

発掘された遺物には、須恵器や土師器、鉄製の道具が含まれています。これらの遺物は、異なる場所に配置され、それぞれ身近な副葬品や供献品と関連しています。

後の歴史

この横穴は長い間利用されなくなった後、中世に宗禅寺が開山しました。遺跡はその後、宗禅寺の所有となり、寺の墓地として利用されました。4号墳では、近世以降に造られた墓穴が横穴の天井に接近し、崩落が見られました。

地元住民や寺の関係者は横穴の存在を知っており、時には住居として用いたり、興味本位で接触したりしていたことが記録されています。特に昭和初期には、安全確保のために、いくつかの横穴入口が埋められました。

1953年の宮沢橋の架け替えに伴い、横穴の一つが発見され、その後も発掘調査が行われました。1975年には、約300平方メートルの範囲でさらに14の横穴が確認されましたが、調査後には一部が破壊され、現在は既存の墓地の下に埋没した状態となっています。

このように、宗禅寺横穴墓群は、古代の人々の埋葬文化や地域の歴史を知る上で貴重な遺跡であり、現代においてもその存在を留まらせています。

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