宗茂

宗茂（そう しげる）について

宗茂（そう しげる）は1953年1月9日生まれの元マラソン選手であり、現在は陸上競技の指導者としての活動を行っています。大分県の臼杵市出身で、血液型はAB型です。彼は、モントリオール、モスクワ、ロサンゼルスの3回にわたるオリンピックで男子マラソンの日本代表として出場し、一卵性双生児の弟である宗猛とともに、多くの国際大会で活躍してきました。

初期のキャリア

宗茂は、中学2年生の時に弟と共に陸上競技を始めました。大分県内一周駅伝に出場し、早くからその才能が注目されるようになります。彼たちは学校の指導者が不在となったことから、自主的にトレーニングに取り組むようになりました。推薦により、大分県立佐伯豊南高等学校に進学し、高校では全国高校駅伝に出場しました。

1971年に高校を卒業し旭化成陸上部に入部すると、1973年の延岡西日本マラソンで初めてのマラソンを完走し、2時間17分28秒で優勝を果たします。1976年の毎日マラソンでは3位となり、モントリオールオリンピックの代表に選ばれました。オリンピック本番では20位でしたが、チーム内では最上位の成績を収めました。

大会での活躍

1978年2月の別府大分毎日マラソンで、宗茂は世界記録を打破するペースを記録し、最終的には世界歴代2位の成績で優勝しました。この勝利は、彼を日本人初のサブテン達成者にしました。同年12月に行われた福岡国際マラソンでは、後のライバルである瀬古利彦に敗れ3位となり、その後の展開も含め、彼らは好敵手となります。

1979年にはモスクワオリンピックの前哨戦に出場し、2位となりますが、日本がモスクワ大会をボイコットしたため、出場が叶いませんでした。1983年には福岡国際マラソンでサブテンを達成し、3度目のオリンピック代表に選出されますが、彼のマラソンキャリアの集大成は1985年の北京国際マラソンで、弟と同タイムで優勝を果たし、兄弟での1-2位独占が実現しました。

引退後の活動

1987年4月のロンドンマラソンを最後に、宗茂は引退を決意し、その後は旭化成陸上部の監督に就任します。監督退任後は九州保健福祉大学の客員教授として指導し、また全国高校駅伝などの解説者としても活動します。彼は2008年に自身の気功健康塾を開設し、新しい道を歩み始めました。

弟との性格や練習スタイルは対照的であった宗茂。左右の利き手も異なり、独特のアプローチでマラソンに取り組みました。彼は、競技を通じて培った経験や知識を次世代に伝え続け、陸上競技界に貢献しています。

著書

宗茂はマラソンに関する書籍も出版しており、代表的なものには、弟との対談集や練習法を紹介したムックなどがあります。彼の経験や思考が詰まったこれらの著書は、多くのマラソンファンや選手にとって貴重な情報源となっています。

もう一度検索